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急速充電対応USBケーブルを使って端末を充電する

 急速充電対応USBケーブルを使って端末を充電してみました。

 電流計を使って、普通のケーブルと急速充電対応ケーブルの充電電流値の比較を行いました。

急速充電対応USBケーブルについて

 急速充電対応USBケーブルとは、普通のUSBケーブルと比べてより多くの電流を流すことができ、早く充電できるというものです。
 スマートフォンやタブレットで採用されているmicroUSBですが、そのほとんどはUSB 2.0という規格に基づいています。USB 2.0では、ケーブルに流せる電流は通常、0.5A(500mA)までと規定されています。
 最近では、充電に1A~2Aの大きな電流を使用している端末が多く、大きな電流を出力できる充電器も増えていますが、USB 2.0規格の普通のケーブルでは充電器の性能をフルに活かすことが出来ず、大きな電流を流すことが困難になり、早く充電することが出来ません
 しかし、急速充電対応USBケーブルでは、普通のケーブルより太く作られており、充電器の性能をフルに活かして大きな電流を流すことが可能(電流値はケーブルによる)です。
 今回は、対応ケーブルを実際に使用し、本当に充電が早くなる(多くの電流を流せる)のかを検証しました。

急速充電対応USBケーブルの検証

使用したケーブルと充電器、電流計

ケーブル

 最大で2.4Aまで電流を流すことが可能(メーカー曰く)だそうです。
 なお、充電専用のため、PCなどに接続してのデータ通信をすることは出来ません
 また、比較用の普通のUSBケーブルとして、以下の製品に付属していたUSBケーブルを使用しました。

充電器

 この充電器にはUSBポートが5つあるのですが、その内、2A出力が可能なiPad用ポートに接続して検証しました。
 検証時にはこちらを使用したのですが、後継品として以下の充電器が出ています。
 後継品では接続機器を自動認識し、全てのポートで最大の電流を流すことができるそうです。

電流計

 実際に使用したのはの1つ前の電流計(Rev.2が付いていないもの)ですが、基本的な機能に変わりは無いようです。

検証内容

 電流計を接続した上、普通のUSBケーブル・急速充電対応USBケーブルそれぞれを使用して充電し、充電電流を比較しました。
 前述の通り、USBケーブルは共に充電器のiPadポート(最大2A出力が可能なため)に接続しました。
 但し、普通のUSBケーブルについては、iPadポートでそのまま接続するとUSB充電として認識され、端末側で最大0.5A(500mA)までに充電電流が制限されてしまうため、自作のアダプタ(USBのDATA端子を短絡させたもの)を間に挟みました。
 また、端末のバッテリー残量が多いと最大電流が流れないため、残量50%以下の状態で充電し検証しました。

検証結果

 それぞれの測定した充電電流を表にしました。
※使用した電流計は簡易的なものなので、絶対値としての正確な電流値ではない場合があります。
※端末の電源を入れた状態で、画面をオフ(スリープ)して検証。

検証した端末普通USBの電流急速充電USBの電流電流量向上比充電時間削減率
Galaxy Nexus(SC-04D)0.85A1.03A1.21倍-17.5%
AQUOS PHONE ZETA(SH-06E)0.86A1.15A1.34倍-25.2%
G2(L-01F)1.12A1.59A1.42倍-29.6%
Nexus 7(2012)0.85A1.26A1.48倍-32.5%

 どの端末でも、普通のUSBケーブルと比べて急速充電対応USBケーブルの方が約1.2倍~1.5倍多くの電流を流せていることがわかります。また、充電時間は約18%~33%削減出来る事がわかります。
 最大の充電時間削減率であったNexus 7(2012)を例にすると、仮に、端末の充電に元々2時間(120分)かかっているとした場合、1時間21分(81分)まで短縮(39分の短縮)することが出来ることを意味しています。
 実際には、バッテリー残量が100%近くなってくると充電電流は下がるため、単純にここまで短縮できるとはいえませんが、それでもかなり早く充電することが出来ると思います。

結論

 急速充電対応USBケーブルは実際に効果があると言えるでしょう。
 最大で約1.5倍の電流を流すことができ、約33%も充電時間を短縮することが出来る事がわかりました。

 最近では、バッテリー容量が大きい端末が増えているので、このようなUSBケーブルを使用して充電器の性能をフルに活かし、充電時間を短縮できるのは大変便利だと思います。
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