急速充電対応USBケーブルを使って端末を充電してみました。
電流計を使って、普通のケーブルと急速充電対応ケーブルの充電電流値の比較を行いました。
電流計を使って、普通のケーブルと急速充電対応ケーブルの充電電流値の比較を行いました。
急速充電対応USBケーブルについて
急速充電対応USBケーブルとは、普通のUSBケーブルと比べてより多くの電流を流すことができ、早く充電できるというものです。
スマートフォンやタブレットで採用されているmicroUSBですが、そのほとんどはUSB 2.0という規格に基づいています。USB 2.0では、ケーブルに流せる電流は通常、0.5A(500mA)までと規定されています。
最近では、充電に1A~2Aの大きな電流を使用している端末が多く、大きな電流を出力できる充電器も増えていますが、USB 2.0規格の普通のケーブルでは充電器の性能をフルに活かすことが出来ず、大きな電流を流すことが困難になり、早く充電することが出来ません。
しかし、急速充電対応USBケーブルでは、普通のケーブルより太く作られており、充電器の性能をフルに活かして大きな電流を流すことが可能(電流値はケーブルによる)です。
今回は、対応ケーブルを実際に使用し、本当に充電が早くなる(多くの電流を流せる)のかを検証しました。
急速充電対応USBケーブルの検証
使用したケーブルと充電器、電流計
ケーブル
最大で2.4Aまで電流を流すことが可能(メーカー曰く)だそうです。
なお、充電専用のため、PCなどに接続してのデータ通信をすることは出来ません。
なお、充電専用のため、PCなどに接続してのデータ通信をすることは出来ません。
オウルテック 2013-07-05
また、比較用の普通のUSBケーブルとして、以下の製品に付属していたUSBケーブルを使用しました。
充電器
この充電器にはUSBポートが5つあるのですが、その内、2A出力が可能なiPad用ポートに接続して検証しました。
検証時にはこちらを使用したのですが、後継品として以下の充電器が出ています。
後継品では接続機器を自動認識し、全てのポートで最大の電流を流すことができるそうです。
検証時にはこちらを使用したのですが、後継品として以下の充電器が出ています。
後継品では接続機器を自動認識し、全てのポートで最大の電流を流すことができるそうです。
電流計
実際に使用したのはの1つ前の電流計(Rev.2が付いていないもの)ですが、基本的な機能に変わりは無いようです。
ルートアール
検証内容
電流計を接続した上、普通のUSBケーブル・急速充電対応USBケーブルそれぞれを使用して充電し、充電電流を比較しました。
前述の通り、USBケーブルは共に充電器のiPadポート(最大2A出力が可能なため)に接続しました。
但し、普通のUSBケーブルについては、iPadポートでそのまま接続するとUSB充電として認識され、端末側で最大0.5A(500mA)までに充電電流が制限されてしまうため、自作のアダプタ(USBのDATA端子を短絡させたもの)を間に挟みました。
また、端末のバッテリー残量が多いと最大電流が流れないため、残量50%以下の状態で充電し検証しました。
検証結果
それぞれの測定した充電電流を表にしました。
※使用した電流計は簡易的なものなので、絶対値としての正確な電流値ではない場合があります。
※端末の電源を入れた状態で、画面をオフ(スリープ)して検証。
※端末の電源を入れた状態で、画面をオフ(スリープ)して検証。
検証した端末 | 普通USBの電流 | 急速充電USBの電流 | 電流量向上比 | 充電時間削減率 |
Galaxy Nexus(SC-04D) | 0.85A | 1.03A | 1.21倍 | -17.5% |
AQUOS PHONE ZETA(SH-06E) | 0.86A | 1.15A | 1.34倍 | -25.2% |
G2(L-01F) | 1.12A | 1.59A | 1.42倍 | -29.6% |
Nexus 7(2012) | 0.85A | 1.26A | 1.48倍 | -32.5% |
どの端末でも、普通のUSBケーブルと比べて急速充電対応USBケーブルの方が約1.2倍~1.5倍多くの電流を流せていることがわかります。また、充電時間は約18%~33%削減出来る事がわかります。
最大の充電時間削減率であったNexus 7(2012)を例にすると、仮に、端末の充電に元々2時間(120分)かかっているとした場合、1時間21分(81分)まで短縮(39分の短縮)することが出来ることを意味しています。
実際には、バッテリー残量が100%近くなってくると充電電流は下がるため、単純にここまで短縮できるとはいえませんが、それでもかなり早く充電することが出来ると思います。
結論
急速充電対応USBケーブルは実際に効果があると言えるでしょう。
最大で約1.5倍の電流を流すことができ、約33%も充電時間を短縮することが出来る事がわかりました。
最近では、バッテリー容量が大きい端末が増えているので、このようなUSBケーブルを使用して充電器の性能をフルに活かし、充電時間を短縮できるのは大変便利だと思います。
オウルテック 2013-07-05