Lenovo ZUK Z2のFactory Imageの書き込み方法です。2種類のFactory Imegeの説明や実際の書き込み手順などを説明します。
Lenovo ZUK Z2のFactory Imageの書き込み
Lenovo ZUK Z2は、中国のLenovo傘下ZUKのスマートフォンです。
5インチ フルHD液晶、Snapdragon 820、4GB RAM、3,500mAhバッテリーを搭載し、4G+3GのDSDSにも対応したハイスペックな端末ですが、実売約2万円という低価格で販売されています。
ZUK Z2について詳しくは以下の記事を参照して下さい。
Factory Imageとは、メーカーが公開している初期ROMデータのことを言います。
Factory Imageには、「system・boot(Kernel)・recovery・bootloader・radio・userdata・cache」などの各領域のイメージが含まれており、それらを端末に書き込むことで完全に初期化することが出来ます。
何らかの事情により、端末が正常に起動しなくなった、動作がおかしいなどの状態になった時は、Factory Imageを書き込むことで復帰する可能性があります。
ショップROMは、最初からGoogle Playストアが利用できたり、日本語設定にできたりと便利です。
しかしその反面、メーカー公式OSとは別扱いとなり、OTA更新を受信できません。そのため、バージョンアップやセキュリティ更新などが一切行われず、古いシステムのまま放置されていることがほとんどです。
例えば、メーカーがAndroid 7.0へのアップデートを配信していたとしても、ショップROMでは更新を受け取れず、一生Android 6.0のままという事態になります。
Factory Imageを書き込めばメーカー公式OSになるため、OTA更新を受信可能です。端末を常に最新の状態にしておくことができます。 ※メーカーがサポートする限り
ただし、「言語設定に日本語が無くなる」というデメリットも存在します。「English」(英語)などで使用しなければなりません。
5インチ フルHD液晶、Snapdragon 820、4GB RAM、3,500mAhバッテリーを搭載し、4G+3GのDSDSにも対応したハイスペックな端末ですが、実売約2万円という低価格で販売されています。
ZUK Z2について詳しくは以下の記事を参照して下さい。
Factory Imageとは、メーカーが公開している初期ROMデータのことを言います。
Factory Imageには、「system・boot(Kernel)・recovery・bootloader・radio・userdata・cache」などの各領域のイメージが含まれており、それらを端末に書き込むことで完全に初期化することが出来ます。
何らかの事情により、端末が正常に起動しなくなった、動作がおかしいなどの状態になった時は、Factory Imageを書き込むことで復帰する可能性があります。
ショップROMから戻したい場合にも
ZUK Z2は中国系販売店で販売されていることがほとんどですが、その多くにはいわゆる「ショップROM」と言われる特殊なOSが導入されています。ショップROMは、最初からGoogle Playストアが利用できたり、日本語設定にできたりと便利です。
しかしその反面、メーカー公式OSとは別扱いとなり、OTA更新を受信できません。そのため、バージョンアップやセキュリティ更新などが一切行われず、古いシステムのまま放置されていることがほとんどです。
例えば、メーカーがAndroid 7.0へのアップデートを配信していたとしても、ショップROMでは更新を受け取れず、一生Android 6.0のままという事態になります。
Factory Imageを書き込めばメーカー公式OSになるため、OTA更新を受信可能です。端末を常に最新の状態にしておくことができます。 ※メーカーがサポートする限り
ただし、「言語設定に日本語が無くなる」というデメリットも存在します。「English」(英語)などで使用しなければなりません。
※MoreLocale 2などを導入すれば日本語化できます。
BootloaderのUnlockは不要だが、専用ツールが必要
ZUK Z2のFactory Imageの書き込み方法はNexus端末などと大きく異なります。
Nexus端末では、
- BootloaderをUnlock
- コマンドプロンプトからfastbootで書き込み
という手順が一般的です。
しかし、ZUK Z2では
- EDLモードを起動
- 専用ツールで書き込み
という大きく異なった手順になります。
Bootloaderを使用しないのでUnlockは不要ですが、「EDLモード」(Emergency Download mode)と呼ばれる特殊なモードから書き込むため、EDLモードに対応した専用ツールが必要になります。
EDLモードと言うのはあまり聞き覚えなのない言葉ですが、実はQualcomm製SoCを搭載した端末に共通して存在するようです。
以前書いた、OnePlus Oneを「QHSUSB_BULK」状態から復旧させるという記事ですが、この「QHSUSB_BULK」状態こそがEDLモードです。
EDLモードは、OSのみならずBootloaderですら起動しない状態からでも復旧することができます。"非常ダウンロードモード"(Emergency Download mode)の名の通りという訳です。
余談ですが、このようなEDLモードを使った書き込み方式はXiaomiも採用しているようです。
余談ですが、このようなEDLモードを使った書き込み方式はXiaomiも採用しているようです。
2種類の公式Factory Imageが存在
ZUK Z2には2種類の公式Factory Imageが存在しており、それぞれで内容が異なります。
大きな違いはGoogleサービスの使用可否です。日本で使用する際はインド版がオススメです。
インド版
- Google PlayストアなどのGoogleサービスが使用可能
- ランチャー(ホーム)がGoogle Now Launcher
- オンスクリーンキー(ナビゲーションバー)が使える
- 表示上の型番が「Z2 Plus Z2132」になる
※インドでの販売名称 - OTA更新が可能
中国版
- 一番大元のFactory Imageなので、新しいバージョンがいち早くリリース
- Google PlayストアなどのGoogleサービスは使用不可能
※別途ファイルを導入すれば使用可能 - ランチャー(ホーム)がZUK Launcher(iOSライク)
オンスクリーンキー(ナビゲーションバー)は使用できない
→開発者向けオプションから有効化できました- 中国アプリが多数プリインストール
事前に必要な作業・ファイル
ADBコマンドを使えるようにしておく
Factory Imageを導入するためには、前述の通り、端末を「EDLモード」に切り替える必要があります。「OSが起動した状態からコマンドで切り替える」方法の場合、一旦OSを起動してから、ADBコマンド(adb reboot edl)を実行して切り替えます。
そのため、予めADBコマンドを使えるようにしておいて下さい。
詳しくは以下の記事を参照して下さい。
Factory Image
手順は同じなので、どちらか導入したい方のFactory Imageを使用して下さい。なお、インド版は中国版より古いですが、OTAで最新版まで更新可能です。
※これらのファイルは「Z2/Z2 Plus(Z2131/2132)」用です!Z2 Proやその他の端末では使用できないので注意して下さい!
※これらのファイルは「Z2/Z2 Plus(Z2131/2132)」用です!Z2 Proやその他の端末では使用できないので注意して下さい!
インド版
- ZUI_2.0.093_ST_160811
※7z形式で圧縮されているので、7-zip等を用いて解凍して下さい。
⇒一番上の投稿の「Download」をクリックしてダウンロードし、解凍しておいて下さい。(Downloadは2つありますが、どちらも同じです)
中国版
- ZUI_2.3.042_ST_161013
※zip形式で圧縮されているので、解凍して下さい。
⇒「Begin Download」をクリック後、「primary download」をクリックしてダウンロードし、解凍しておいて下さい。
ツールとドライバ
以下のファイルが必要になるので、予めダウンロードしておいて下さい。
※より新しいファイルがリリースされている場合は、それを使用して下さい。
今回は、EDLモードの書き込みツールとして「MiFlash」を使用します。EDLモードで書き込めるなら、これ以外のツールでも問題無いようです。
今回は、EDLモードの書き込みツールとして「MiFlash」を使用します。EDLモードで書き込めるなら、これ以外のツールでも問題無いようです。
- MiFlash ― EDLモードに対応した書き込みツール
⇒中央の「Download Link: Click Here」をクリックしてダウンロードし、インストールしておいて下さい。
※途中でこのような警告が表示される場合が「このドライバー ソフトウェアをインストールします」をクリックして下さい。
- Lenovo USB Driver v1.1.16 ― EDLモードのドライバ
※zip形式で圧縮されているので、解凍後にインストールして下さい
⇒一番下の「DOWNLOAD LENOVO USB DRIVER V1.1.16 - latest」をクリック後、「BEGIN DOWNLOAD」をクリックしてダウンロードし、インストールしておいて下さい。「DOWNLOAD LENOVO USB DRIVER V1.1.16 - latest」をクリック 「BEGIN DOWNLOAD」をクリック 解凍後、インストールする
Factory Imageの書き込み
EDLモードに切り替え
ZUK Z2をEDLモードに切り替え、Factory Imageを導入できるようにします。
なお、端末の言語設定が「English」の場合を想定しています。
EDLモードに切り替える方法は2通りあります。好きな方法で切り替えて下さい。
EDLモードに切り替える方法は2通りあります。好きな方法で切り替えて下さい。
電源OFFの状態からボタンの組み合わせで切り替える
- 端末の電源を完全にOFFにする
- 「音量+」ボタンを押す
- 「音量+」ボタン押したまま、「電源」ボタンを押して0.5秒以内にUSBケーブルでPCに接続する
※電源ボタンを押してからすぐにUSBケーブルを接続して下さい!遅いと切り替えに失敗します - 端末が短くバイブレーションする
- ZUKロゴが一瞬表示されるので、すぐに全てのボタンから手を離す
タイミングがシビアなので難しいですが、この方法ならば端末が起動しない場合でも切り替えることができます。
OSが起動した状態からコマンドで切り替える
まず、端末のUSBデバッグをONにします。詳しい手順はこちらの記事を参照して下さい。
ONにしたら、以下の手順を実行します。
ONにしたら、以下の手順を実行します。
- 端末をPCとUSB接続する
- PCでコマンドプロンプトを開き、「adb reboot edl」と入力し、「Enter」キーを押して実行する
※端末側でADB実行許可を求められた場合は許可して下さい
- 端末が自動的に再起動し、EDLモードになる
EDLモードでは端末の画面は真っ暗なままなので、電源が切れているように見えます。PCとUSB接続をして、「デバイスマネージャ」で端末が認識されているか確認してみて下さい。
EDLモードのドライバをインストール
前述の「Lenovo USB Driver」がPCにインストールされていれば、ドライバが自動的にインストールされます。
「デバイスマネージャ」を開いて、「ポート (COM と LPT)」に「Qualcomm HS-USB QDloader 9008 (COM◯)」が表示されていれば問題ありません。(◯は数字)
Mi FlashでFactory Imageを書き込み
端末がきちんと認識されていることを確認したら、Mi Flash ToolでFactory Imageを書き込みします。
なお、この作業を行うと端末上のデータが全て消去されるのでご注意下さい!
※ユーザーデータを残したまま書き込むこともできますが、不具合防止のため初期化を推薦します。
今回は、書き込むFactory ImageをDドライブ直下の「ZUK」というフォルダ内に配置しました。これ以外の場所にファイルを置いている場合は画像中の表記等が異なることがあります。
- PCのデスクトップに「XiaoMiFlash.exe」というショートカットがあるので、ダブルクリックして実行する
- MiFlashが起動したら、「refresh」をクリックして端末を表示させる
- リストに端末が表示されるので、「select」をクリックする
- フォルダ選択画面が表示されるので、Factory Imageを配置したフォルダを選択し、「OK」をクリックする
- 「select」の右に選択したフォルダのパス名が表示されていることを確認する
- 画面下の「clean all」をクリックして選択する
- 右上の「flash」をクリックして端末に書き込む
- 各ファイルが順次書き込まれていくので、完了するまでしばらく待つ
※途中でUSBケーブルを抜いたり、PCや端末の電源を切ったりしないで下さい!最悪の場合、端末が全く起動しなくなります!
- 「status」に「flash done」と表示され、「result」に「success」と表示されていることを確認する
※何らかのエラーが表示されている場合は、正しく書き込めていない可能性があります。
- MiFlashを閉じ、USB接続を解除する
- 端末の電源ボタンを長押しして再起動する
- 長いバイブレーションの後、端末が起動する
※起動には数分時間がかかる場合があります
以上が、Lenovo ZUK Z2のFactory Imageの書き込み方法です。
ユーザーデータを残したままFactory Imageを書き込み
「Mi FlashでFactory Imageを書き込み」の手順6で「save user data」を選択して、作業を進めて下さい。
BootloaderがUnlockされた状態で、Factory Imageを書き込んでBootloaderをLockする場合は「Mi FlashでFactory Imageを書き込み」の手順6で「clean all and lock」を選択して、作業を進めて下さい。
→機能しておらず、Lockできませんでした。
Factory Imageを書き込んでBootloaderをLockする
→機能しておらず、Lockできませんでした。
OTA更新できるようにするには
ZUK Z2は一度でもBootloaderをUnlockすると、以後、標準ROMのOTA更新が不可能になります。(インド版ROMにて確認、中国版は未検証)
OTA更新できるようにするには、BootloaderをLockした後にFactory Imageを書き込む必要があります。
BootloaderをLockする方法はこちらの記事を参照して下さい。
BootloaderをLockした後、以下の順にFactory Imageを書き込んで下さい。
- 中国版Factory Imageを「clean all」で書き込む
※この時点でOTA可能な状態になります - 端末を起動する
- インド版Factory Imageを「clean all」で書き込む