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透明有機ELにAndroidを搭載。YKK APの「未来窓」を見てきた

透明有機ELにAndroidを搭載した、YKK APの「未来窓」を見てきたので簡単に紹介します。

YKK APの「未来窓」プロジェクト

建材メーカーのYKK APですが、未来の窓を考えてカタチにする「未来窓」プロジェクトを2016年より進めており、いくつかのコンセプト展示を行っているそうです。
今回は、先日発表された世界とつながる窓「Window with Intelligence」を見てきたので紹介します。

透明有機ELにAndroid搭載

一見すると大きなディスプレイですが、向こう側が透けており確かに"窓"であることがわかります。
向こう側が透けて見えている
ディスプレイには透明有機EL(OLED)を採用。ガラスとガラスの間に有機ELを挟んだ3層構造です。一昔前のタッチディスプレイのようにガラス表面から表示面までは若干隙間がありました。
ガラス―有機EL―ガラスの3層構造
断熱・気密性に優れる樹脂フレームを使用し、窓としての基本性能を確保。
自動開閉も可能で、アプリを操作すると手前に数度傾い上部が開くようになっています。きちんと換気することができ、窓として作られています。
搭載アプリによって窓の開閉も可能
タイマーによる細かな制御も
OSとしてAndroidを搭載(Android 5.0)。詳細情報ではタブレットとして認識されていました。こんな大きな画面にAndroidが表示されているのは不思議な感覚です。

画面全体がタッチパネルになっているのもAndroidと同様。かなり大きいですが、タッチ性能は意外と良好です。さすがに数mm単位の細かなタップは難しいものの、一般的なタブレットとほとんど変わりありませんでした。
ただし、同時タッチは1点のみな模様で、2点以上は認識していないようでした。

Google Playストアも使えるため、Chromeやゲームなど豊富なアプリをインストール利用可能です。(展示はデモ用アプリだったので、残念ながらタップしても起動しませんでした)
Androidを搭載しているので、Google Playの豊富なアプリを利用可能
ホーム画面や設定画面などは、そっくりそのまま普通のAndroid(AOSP)でした。その上で、展示用アプリを動かして専用UIを表示しているという仕組みです。
アプリでは、窓自体や家電の操作のほか、搭載したカメラで窓から見える風景を毎日記録するライフログや付箋にメモして貼り付ける掲示板などが利用可能。窓を活かした様々な機能が搭載されていました。
付箋にメモして貼り付ける掲示板機能

視認性に関して、裏側が暗い(夜など)と背景が透けずに逆に明るい(昼間)と背景が透けて見えます。いずれの場合も表示が見づらくなるということはなく、アイコンや文字などがはっきりと表示されていました。
ちなみに、構造上裏側からもディスプレイの表示は見えるとのこと。ただし、映像が鏡写しになるため、左右反転しているそうです。(今回の展示は表だけで、裏からは見れません)

また、窓の大きさについては、透明有機ELパネルの大きさに合わせたとのこと。パネルの製造元は聞けませんでしたが、調べてみたところ中国のBOE Technology Groupが似たような大きさのものを製造しているようです。もしかしたらこのメーカーのパネルなのかもしれません。

商品化については検討中で、3年後(≒東京オリンピック)までには何らかの形で出したいとのことでした。

まとめ

  • YKK APが未来窓をコンセプト展示
  • 透明有機ELにタッチパネル+Androidを搭載
  • ライフログや掲示板など窓を活かした機能を搭載
世界とつながる窓「Window with Intelligence」は、YKK AP 新宿ショールームで展示されています。興味のある方は訪れてみてはいかがでしょうか。
■展示概要
名称:「Window with Intelligence」
場所:YKK APショールーム新宿 特設ギャラリー
  (住所:東京都渋谷区代々木2-1-5 JR南新宿ビル8F 電話:0120-32-4134)
展示期間:2017年7月1日から一般向け公開 (アドバイザーによるデモ紹介)
展示時間:10:00~17:00
休館日:毎週水曜日(ただし、祝日の場合は開館)、夏期休暇、年末年始
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