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Lenovo ZUK Z2のroot化やカスタムROMの導入方法(ROM焼き)


Lenovo ZUK Z2のroot化やカスタムROMの導入方法です。
具体的な手順や元に戻す方法などを解説しています。インド向けのLenovo Z2 Plusでも利用可能です。

Lenovo ZUK Z2のroot化・ROM焼き

Lenovo ZUK Z2は、中国のLenovo傘下ZUKのスマートフォンです。
5インチ フルHD液晶、Snapdragon 820、4GB RAM、3,500mAhバッテリーを搭載し、4G+3GのDSDSにも対応したハイスペックな端末ですが、実売約2万円という低価格で販売されています。

ZUK Z2について詳しくは以下の記事を参照して下さい。

そんなZUK Z2ですが、Nexus端末などと同様にroot化やROM焼きを行うことができます。

今回は、実際に端末のroot化やROM焼きをしつつ、方法を説明します。

なお、カスタムROMやroot化についての基本的な知識は以下の記事を参照して下さい。
基本的に同じ手順なので、参考になるはずです。本記事と合わせて読むことをオススメします。

ZUK Z2という端末は3種類ある

ZUK Z2という名前の端末は3種類あります。
  • Lenovo ZUK Z2(Z2131)
  • Lenovo Z2 Plus(Z2132)
  • Lenovo ZUK Z2 Pro
Lenovo ZUK Z2(Z2131)とLenovo Z2 Plus(Z2132)は全く同じ端末です。
同じ端末が、ZUK Z2は中国向け、Z2 Plusはインド向けという形で異なる名前で販売されています。
それ故、同じ方法・ファイルでroot化・ROM焼きを行うことができます。本記事で紹介するのはこのZUK Z2向けの方法です。

Lenovo ZUK Z2 Proは、ZUK Z2の上位版です。この端末は、ZUK Z2と仕様が異なります本記事の方法ではroot化・ROM焼きを行うことはできないので、注意して下さい。

root化・ROM焼きの事前準備

まずは、Nexus端末と同様に、BootloaderをUnlockし、カスタムリカバリ(TWRP)を導入する必要があります。

Unlock後、カスタムリカバリを起動し、標準ROMをクリーンな状態でバックアップします。

BootloaderのUnlock

ZUK Z2のBootloaderは工場出荷状態ではLockされています。そのため、Unlockしてカスタムリカバリを起動できるようにします。

こちらの記事を参照して、ZUK Z2のBootloaderをUnlockしておいて下さい。

adb・fastbootコマンドを使えるようにしておく

Android SDKなどを導入し、ドライバをインストールしてadb・fastbootコマンドを使えるようにしておいて下さい。

導入方法はこちらの記事を参照して下さい。

なお、既にBootloaderのUnlockを行っている場合は、adb・fastbootコマンドが使えるようになっているはずなのでこの作業は不要です。

Bootloaderの起動

まずはBootloaderを起動します。

こちらの記事と同様の手順で起動することができます。

ボタンの組み合わせで起動

  1. 端末の電源を完全にOFFにする
  2. 電源」ボタンを押して電源をONにする
  3. BootloaderがUnlockされているという警告画面が表示されるので、「音量+」か「音量-」を素早く連打する
  4. Options Menu」画面が表示されるので、「音量+」か「音量-」を押して「Fastboot」を選択する
    ※選択されると緑色で表示されます
  5. 「電源」ボタンを押して決定する
  6. Bootloaderが起動する

コマンドで起動

  1. PCと端末をUSB接続する
  2. PCでコマンドプロンプトを開く
  3. adb reboot bootloader」と入力し、「Enter」キーを押して実行する
  4. 補足手順:adbの許可を求められた場合、「Always allow from this computer」をタップしてチェックし、「OK」をタップして許可する。その後、もう一度手順3を実行する。
  5. 端末が自動的に再起動する
  6. Bootloaderが起動したことを確認する

カスタムリカバリの起動

各種ファイルを導入するためにカスタムリカバリを起動します。

カスタムリカバリのダウンロード

ZUK Z2には公式版TWRPが提供されています。

今回はこのTWRPをカスタムリカバリとして使用するので、予めダウンロードしておいて下さい。
Primary (Recommended)」をクリックします。

中央の「twrp-3.0.3-0-z2.img」をクリックします。
※更新等によりファイル名が異なる可能性があります

Download twrp-3.0.3-0-z2.img」をクリックするとダウンロードすることができます。
※更新等によりファイル名が異なる可能性があります
なお、基本的なTWRPの使い方・操作方法や設定についてはこちらの記事を参照して下さい。

カスタムリカバリをコマンドで起動

クリーンな状態でのバックアップを行うため、カスタムリカバリをPCからコマンドで起動します。
  1. コマンドプロンプトを起動する
  2. fastboot boot 」と入力する
    ※最後の半角スペースを忘れずに
  3. ダウンロードしたカスタムリカバリ(.img)を画面上にドラッグアンドドロップする
    ※カスタムリカバリのimgファイル名とパス名が自動で入力されます
  4. Enter」キーを押し、実行する
  5. 「finished.」と表示されてカスタムリカバリが端末に転送されるので、起動するまでしばらく待つ
  6. 補足手順:端末にこのような画面が表示された場合は、「Keep Read Only」をタップして下さい
    ※クリーンな状態でバックアップを行うため
  7. 画面が表示され、起動したことを確認する
以上が、カスタムリカバリを起動する方法です。

カスタムリカバリを起動したら、まずは「標準ROMのバックアップ」を行います。上記の方法で起動した場合、システムや標準リカバリをクリーンな状態でバックアップすることができます。


なお、毎回コマンドプロンプトを起動し「fastboot boot ~」と入力するのは面倒です。なので、batファイルを作るか、カスタムリカバリを端末に書き込むことをオススメします。
※書き込み前に、まずは下記の「標準ROMのバックアップ」を行って下さい。

端末に書き込んだ場合、PCがなくてもカスタムリカバリ起動することができるので便利です。
fastboot flash recoveryで端末にリカバリを書き込む
書き込み方法など詳しくはこちらの記事を参照して下さい。

※カスタムリカバリを端末に書き込む場合(fastboot flash recovery)は、必ず事前にバックアップを取って下さい!上書きされてしまうため、元に戻すにはFactory Imageの書き込みが必要になってしまいます。

標準ROMのバックアップ

カスタムリカバリを起動したら、まずは現在のROM(標準ROM)のバックアップを行います。

基本的な手順はこちらの記事の「ROMのバックアップ・復元」と同様です。
  1. Backup」をタップする
  2. 各項目をタップして、全てにチェックを付ける
  3. Swipe to Backup」の矢印アイコンを左から右にスワイプし、バックアップを実行する
  4. ログ画面に「...done」と表示されバックアップが終了したことを確認し、一番下のホームボタンをタップして戻る
以上が、標準ROMをバックアップする方法です。


バックアップしたファイルは、端末内部ストレージの「TWRP」フォルダに保存されています。そのままにせず、PCなどにコピーし絶対に無くさないよう厳重に保管して下さい。

なお、バックアップしたROMを復元する方法はこちらの記事を参照して下さい。

全パーティションのバックアップ

端末内の全てのパーティションをバックアップします。(modemなどもバックアップされます)

この作業は任意ですが、出来るだけ実行しておくことをオススメします。

バックアップはツールを使って簡単に行うことができます。
詳細な手順はこちらの記事を参照して下さい。

システム領域の書き込みを許可する

「カスタムリカバリをコマンドで起動」の手順6で、system領域を読み取り専用に設定しました。
root化やカスタムROMの導入前にこの設定を解除し、書き込みを許可する必要があります。
  1. カスタムリカバリを起動する
  2. Mount」をタップする
  3. Mount system partition read-only」をタップする
    チェックを外して下さい!(画像は間違い)
  4. チェックが付いたことを確認し、下のホームボタンをタップして戻る
    チェックを外して下さい!(画像は間違い)

標準ROMのroot化

今回は、標準ROMをroot化する方法カスタムROMを導入する方法(ROM焼き)を説明します。

まずは、元々搭載されている標準ROMをroot化する方法を説明します。

必要なファイル

root化にはカスタムリカバリから導入可能な「SuperSU」を使用します。

予めダウンロードし、端末内部ストレージに移動しておいて下さい。
Download」の右側をクリックしてダウンロードし、端末内に移動して置いて下さい
※更新等により画像とファイル名が異なる場合があります

SuperSUを導入する

ダウンロードしたSuperSUを端末に導入します。
  1. カスタムリカバリを起動する
  2. Install」をタップする
  3. SuperSUのファイルをタップして選択する
  4. Swipe to confirm Flash」の矢印アイコンを左から右にスワイプし、ファイルを書き込む
  5. ログ画面に「...done」と表示されインストールが終了したことを確認し、「Reboot System」をタップしてOSを起動する
  6. 補足手順:TWRP公式アプリをインストールするか聞かれた場合、「Prompt to install TWRP app if not installed」をタップしてチェックを外し、「Do Not Install」をタップして次に進む
    ※インストールしたい場合は、下のバーを右にスワイプして次に進んで下さい
  7. OSが起動したら、アプリ一覧に「SuperSU」が追加されroot化されていることを確認する
以上が、SuperSUを導入して標準ROMをroot化する方法です。


なお、root化するとXposedを導入することができます。Xposedは様々な機能をシステムを改変することなく簡単に追加できる仕組みです。

詳しくはこちらの記事を参照して下さい。

標準ROMを更新するときは

元々搭載されているメーカー公式の標準ROMを更新する際は、全て標準ROMの環境に戻す必要があります。TWRPのバックアップなどから復元(リストア)を行って下さい。

リカバリを書き換えている場合やroot化している場合はそれらも完全に元に戻して下さい。

その後、OSを起動し、更新がダウンロードされるのを待って下さい。


また、更新後のROMが公式サイト等で配布されている場合は、後述する「元に戻すには」の手順で更新することができます。

カスタムROMの導入(ROM焼き)

元々搭載されている標準ROMを消去し、新たにカスタムROMを導入する方法を説明します。

Nexusと同様に、カスタムROM本体のファイルGoogleアプリがセットとなったgappsが必要となります。

必要なファイル:カスタムROM

ZUK Z2向けのカスタムROMです。
今回は、継続的に更新されている(更新が期待できる)ROMを紹介します。

導入したいROMをダウンロードし、端末内部ストレージに配置しておいて下さい。

MoKee

Android 7.1.1のLineage OS(旧:CyanogenMod)がベースになっており、カスタマイズ項目も同程度に留まっています。残念ながら、ナビゲーションバーは使用できません。

中国系のカスタムROMで、一部中国語表記の部分があります。

MoKee公式が配信しているためOTA更新に対応しており、ほぼ毎日(Nightly)更新されています。

現在のところ、公式配信かつ毎日更新されているROMはこれだけです。
MoKeeをダウンロードするには、上記リンクをクリックした後、最新のファイルをクリックして下さい。
最新のファイルをクリック
このような画面になるので、カウントダウンが0になるまでしばらく待ちます。
カウントダウンが0になるまで待つ
カウントダウンが0になったらダウンロードリンクが表示されるので、クリックしてダウンロードして下さい。
ダウンロードリンクをクリックしてダウンロード

AICP(Android Ice Cold Project)

公式配信ではない非公式版です。
カスタムROMの翻訳等で著名なほた(@lindwurm)氏がビルドして下さっています。

Android 7.1.1のLineage OS(旧:CyanogenMod)がベースになっていますが、多数のカスタマイズ項目が追加されています。ナビゲーションバーも使用可能です。

現在はOTA更新に対応していませんが、今後対応する可能性があるようです。
AICPをダウンロードするには、上記リンクをクリックした後、少し下にスクロールして「z2 - Google Drive」をクリックして下さい。
Googleドライブに移動するので、最新のファイルをクリックして右上のメニューボタンをクリックし、「ダウンロード」をクリックして下さい。

必要なファイル:gapps

カスタムROMの他に、Googleアプリの詰め合わせであるgappsが必要となります。事前にダウンロードし、端末内部ストレージに配置しておいて下さい。

どのgppasを使用しても問題ありませんが、定期的に更新されており無駄なアプリが少ない「The Open GApps Project」の「nano」パッケージがオススメです。
Open GAppsをダウンロードするには、上記リンクをクリックした後、
  • 「Platform」は「ARM64」
  • 「Android」は「7.1」
    ※Android 7.0/6.0がベースのカスタムROMの場合、該当するバージョンを選択して下さい
  • 「Varient」は「nano」
をクリックして下さい。
最後に、「↓」アイコンをクリックするとダウンロードすることができます。
Open GAppsのダウンロード方法

カスタムROMを導入する

今回は、公式配信されているMoKeeを導入します。他のカスタムROMでも手順は同じです。

元々導入されているROMの消去

まずは、元々導入されているROM(標準ROMなど)を消去(Wipe)します。
  1. カスタムリカバリを起動する
  2. Wipe」をタップする
  3. Advanced Wipe」をタップする
  4. Dalvik / ART Cache」「cache」「Data」「system」の4つををそれぞれタップし、チェックを付ける
    「Internal Storage」は絶対にチェックしないで下さい!ストレージ内部のデータが削除されます!
  5. Swipe to Wipe」の矢印アイコンを左から右にスワイプし、消去(Wipe)を実行する
  6. ログ画面に「...done」と表示され消去(Wipe)が終了したことを確認し、ホームボタンをタップして戻る
以上が、元々入っているROM(標準ROMなど)を消去(Wipe)する方法です。

カスタムROMとgappsをインストール

続いて、カスタムROMとgappsをインストールします。
今回は、キューイング機能を使ってROMファイルとgappsファイルを続けてインストールします。
  1. カスタムリカバリを起動する
  2. Install」をタップする
  3. ROMファイルをタップして選択する
  4. Add more Zips」をタップする
  5. gappsファイルをタップして選択する
  6. 他に追加でインストールしたいファイル(Xposedなど)がある場合は手順6~7を繰り返す
  7. Swipe to confirm Flash」の矢印アイコンを左から右にスワイプし、インストールを実行する
  8. ログ画面に「...done」と表示されインストールが終了したことを確認し、「Reboot System」をタップしてOSを起動する
  9. 補足手順:TWRP公式アプリをインストールするか聞かれた場合、「Prompt to install TWRP app if not installed」をタップしてチェックを外し、「Do Not Install」をタップして次に進む
    ※インストールしたい場合は、下のバーを右にスワイプして次に進んで下さい
  10. OSが起動するまでしばらく待つ(時間がかかります)
  11. 「ようこそ」画面が表示され、OSが起動したことを確認する
以上が、カスタムROMを導入する方法です。

カスタムROMを更新するときは

同じROMの場合

同じROMを更新する場合(Resurrection Remix→Resurrection Remixなど)、上書きインストールで更新することができます。ROMの消去(Wipe)は不要です。

事前にTWRPでバックアップを取った上で、新しいROMファイルと新しいgappsファイルをダウンロードし、両方を上書きして下さい。

手順は「カスタムROMとgappsをインストール」と同じです。

※大きな変更が入った場合などは上書きインストールでは起動しないことがあります。その場合は「異なるROMに変更する場合」と手順で更新して下さい。

異なるROMの場合

異なるROMに変更する場合(Resurrection Remix→CyanogenModなど)は、一度ROMを消去(Wipe)し、新たにインストールする必要があります。

「カスタムROMの導入(ROM焼き)」の手順を最初から行って下さい。

元に戻すには

標準ROMに戻すには、「標準ROMのバックアップ」で保存したバックアップで復元(リストア)して下さい。
詳しい方法はこちらの記事を参照して下さい。


また、OTA更新ができるように端末を完全に工場出荷状態に戻す場合は、Factory Imageを導入して下さい。
詳しい方法はこちらの記事を参照して下さい。

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