ニュース

究極のベゼルレスノートPC「XPS13」1ヶ月使用レビュー

デルアンバサダープログラムにてXPS13をお借りしました。約1ヶ月使ってみたので、使用感などをレビューします。

DELL XPS13

XPSはDELLが販売するノートPC。いくつかラインナップがありますが、XPS13は名前の通り13インチ画面を搭載しています。

ご覧の通り、非常に画面占有率が高いベゼルレスディスプレイが特徴的な端末です。
ベゼルレスディスプレイが特徴的な「DELL XPS13」

スペックなど

XPS13は、CPU、RAM、画面解像度などを自分の好みに合わせて変更できるカスタマイズPCです。なので、同じXPS13でも様々な仕様があります。

今回は、ハイエンドの「プラチナ・QHD+タッチパネル」をレビューします。(上から2位の構成)
下記の通り、Core i7、4Kタッチパネル液晶、8GB RAM、256GB SSDなど豪華仕様です。
  • CPU:Intel Core i7 7560U 2.4GHz 2コア (最大3.8GHz)
  • OS:Windows 10 Home 64ビット 日本語
  • RAM:8GB LPDDR3 1866MHz
  • ROM:256GB PCIe SSD
  • GPU:Intel Iris Plus Graphics 640 (CPU内蔵)
  • ディスプレイ:13.3インチ QHD+ (3200 x 1800) タッチ対応
  • サイズ:304mm x 200mm x 9-15 mm
  • 重さ:1.29kg
  • バッテリー:60WHr
  • カラー:シルバー / ローズゴールド
※上記スペックは、「プラチナ・QHD+タッチパネル」です。他の構成は大きく異なります。

開封

デルらしくシンプルながらもシックでカッコイイ化粧箱です。箱には本体と説明書(2枚)のみが入っていました。
本体が入った化粧箱
開けると本体がお目見え
説明書などが2つ
なお、充電器は本体(化粧箱)とは別に付いていました。公称出力は45W(19.5V/2.31A)です。
本体とは別添付の充電器(充電器本体+コンセントケーブル)
公称出力は45W(19.5V/2.31A)

見た目にこだわられたデザイン

こちらがXPS13です。今回借りたのはローズゴールド。この他にシルバーがあります。
スペック上の重さは1.29kgですが、持った感触は意外と思いな、という印象。他のPCより小さい分、重く感じるようです。
表面
裏面
表面はサンドブラストによるつや消しで非常に美しく仕上げられています。
サンドブラストによるつや消し加工の表面
背面の「XPS」ロゴが書かれた部分はフタになっています。この下には認証表示などがまとめられており、外観からは一切見えないという構造。デザインや見栄えにかなり気を使っていますね。
XPSロゴがあしらわれたフタ
認証表示などが外から見えないように隠されている

前面下にはLEDを搭載。充電時には白く点灯、バッテリー残量が少ない時は赤く点灯します。
前面
マイク(2つ)とバッテリーの充電/残量を通知するLED(中央の白い部分)を搭載
背面部分はヒンジがあるのですが、実は裏に冷却用排気口が隠れています。見た目をできるだけ損なわないように上手く作られていますね。
背面
ヒンジ裏に冷却用排気口が隠されている(背面(画像の上)の穴は吸気口)
USB、USB Type-C、イヤホンジャックに加え、SDカードスロットを搭載。
USB Type-CはUSB PDによる充電(20V/2A以上)にも対応。実際に、Xiaomiの45W USB PD充電器ZMI 45W USB PDモバイルバッテリー QB820で充電可能でした。
左面(充電用DC、USB Type-C、USB、イヤホンジャック、電池残量インジケータ、スピーカーL)
右面(スピーカーR、SDカード、USB、盗難防止セキュリティスロット)

ベゼルレスディスプレイ

最大の特徴であるベゼルレスディスプレイ。わずか5.2mmと非常に狭く、全体の大きさも他の13インチPCより一回り小さい仕上がりに。持ち運びにはありがたい仕様です。
ベゼルが薄く、画面占有率が高いディスプレイ
実際に使ってみると、"ディスプレイがそこにある"という存在感が薄く、まるで空間に映像が浮かんでいるような印象。映像への没入感が高く、後述するスピーカーも合わせて映画等の視聴にも向いている端末だと思いました。
ベゼルはわずか5.2mm
厚みも薄いです。カッコイイですね。
ディスプレイの厚みも薄い
ヒンジは固めで、意図した角度でしっかりと固定することができます。最大角は画像の通り。180度までは倒れませんが、十分ではないでしょうか。
その反面、片手で開くのが難しいです。本体部分が浮いてしまうので、もう片方の手で本体を抑えつつ開かねばなりません。
最大まで開いた状態
ところで、これだけベゼルが狭い&厚みが薄いと強度が心配になるかと思いますが、きちんと頑丈な構造に作られています。
背面パネルは1つのアルミ塊から削り出しで、つなぎ目の無い一体構造。加えて、スマートフォン等でお馴染みのCorning Gorilla Glassをカバーガラスとして採用しており、強度が保たれています。実際に力をかけてみても、きしみや歪みは無く、頑丈でした。
ディスプレイ背面パネルの製造過程(右→中央→左)。1つのアルミ塊(一番右)から削り出されている

入力しやすいキーボード

キーピッチ、ストローク共に十分で、タッチ感は良好。静音性も高く、入力しやすいキーボードです。Enterキーが若干細いことが気になりましたが、慣れれば問題ないレベルでした。
電源ボタンはDeleteキーの右。キーと明確に分けられている上、しっかり押し込むタイプなので、誤って押してしまうことはありません。
入力しやすいキーボード
キーボードパネルは、1枚のカーボン板(炭素強化繊維プラスチック:CFRP)から切り出し、更に裏面にマグネシウム金属を接合するという軽さと強度を両立した作り。表面は、カーボン地につや消し加工。ゴムっぽい触感ですが、引っ掻いても剥がれないような素材で仕上げられていました。
また、キーにはバックライト(100%、50%、0%の3段階輝度)が搭載されており、暗いところでも見やすいです。
パネルはCFRPとマグネシウムの複合構造。キーのバックライトも
ただ、このつや消し加工、触感は良いのですが汚れが目立ちます。特に、手指についた油などはバッチリ見えてしまうので、こまめに拭くなど対策が必要です。
触感は良いが、手指の油などの汚れが目立つ
指紋認証センサが搭載されており、Windows Helloに対応。パスワード入力など面倒なログイン作業もこれでスキップできます。
非常に認識精度が高く(期間中、一度もエラーなし)、速度も速いので快適でした。
右下に指紋認証センサを搭載

スピーカーの音質が素晴らしい

驚いたのが、スピーカーの音質が良いという点。単に音量が大きいだけではなく、こもりが少なく、広がりがあります。
両端に離されたステレオ感が出るようなスピーカー配置に加えて、「WAVES MaxxAudio Pro」が搭載されているのですが、これが非常に素晴らしいです。
スピーカーは本体手前の両端に離されて設置(画像はR側)
WAVES MaxxAudio Proはサウンド出力を最適化して音質を向上させる技術です。設定をONにするだけで段違いに変わります。
ノートPCとは思えない迫力あるサウンドで、正直驚きました。映画視聴や音楽鑑賞などにも十分使えると思います。
「WAVES MaxxAudio Pro」でイコライザやサラウンド設定などが可能

電池持ちは3~4時間程度

私は割と常駐ソフト多めでヘビーに使っていたのですが、その状態での電池持ちは3~4時間程度。4Kディスプレイモデルは公称で最大13時間駆動なので、大体3割程度です。思っていたより少ない、という印象です。

今回レビューしたモデルは、4Kディスプレイ(3200 x 1800)や高性能CPU(Core i7)などを採用しており、これらが燃費の悪さにつながっていそうです。
特に、4Kディスプレイに関しては13インチだと高解像度過ぎてFHDとの違いをあまり感じられませんでした。また、作業域に関しても、200%程度に拡大して表示しないと文字が小さすぎて見えないので、同じくFHDとほとんど変わりませんでした。

解像度が高いに越したことはないのですが、ちょっと過剰なスペックなのかなあと感じます。
3200 x 1800という超高解像度。200%に拡大しないと使いづらい

幸い、FHDディスプレイ+Core i5モデルもラインナップされています。タッチパネル非対応ですが、電池持ちも良くなるでしょうし、実際に購入するならこちらのほうがいいかもしれません。

充電器はケーブルが太く、PD非対応

冒頭の画像の通り、PC側は細いものの、電源コンセント側は非常に太く、大変取り回し難くなっています。持ち運ぶノートPCですし、何よりデザインがカッコイイXPS13だからこそ、この辺りも考えて欲しかったです。
充電器のコンセントケーブル。非常に太く、カッコ悪い
また、最も気になったのが、「USB PD対応なのに、何故充電器は普通のDCコネクタなのか?」という点。USB PDオンリーで良いのではないかと思いました。
DCコネクタの分、余計な場所を取ってしまいますし、他の端末に流用することもできません。
せっかくなら、DCコネクタを無くしてもう1つUSB Type-Cポートを搭載していれば、と思います。USB PD(USB Type-C)なら充電用途以外にも使えますし、他の端末にも使えるので、使い勝手としては確実に上でしょう。

コイル鳴きが大きい?

今回私がレビューした個体では、コイル鳴きが非常に大きかったです。
普通の姿勢でPCを使っている状態(=本体面から50cmくらい離れている)でもハッキリと聞こえました。正直かなりうるさく、私がこれまで使ってきたノートPCで最も酷い、というレベルでした。

いろいろ調べてみると、程度の大小はあれど、XPS13ではある程度コイル鳴きが報告されているようです。そのためか、デル公式にて「ノイズ対策」のBIOSアップデートが配信されています。適用したところ、かなり改善。まだ多少は鳴きますが、以前と比べると気にならないくらいにはなりました。
「ノイズ対策」のBIOSアップデートが配信されていた
XPS13をお使いの方で、コイル鳴きが気になる方はBIOSの更新を是非試してみて下さい。EXEを実行するだけなので簡単です。

コイル鳴きはPC1台1台の個体差によるところが大きく、個人の感じ方にも差があります。決して、全てのXPS13で鳴きが酷い、というわけではありません

(補足情報)
私の場合、ブラウザの画面をスクロールした際に、そのスクロールに合わせてコイル鳴きがするという状況でした。CPUというよりも、GPU側に負荷がかかることによって発生していたのかもしれません。そのため、FHDディスプレイモデルでは状況が大きく異なるなる可能性があります。

総評

ベゼルレスデザインによる小型化、見た目向上が大きく、他社にはない魅力となっています。また、最近主流になりつつあるUSB PDに対応している点も良いです。
流行の技術を取り入れつつ、上手く特徴を出している端末です。デザイン・性能共に高くまとまっていると思いました。

今回レビューしたのは上位構成のハイエンドモデル(プラチナ・QHD+タッチパネル)で、標準価格175,980円とちょっと手を出しにくいかもしれません。
ですが、実用的なモデル(プレミアム)ではCore i5/8GB/256GB/FHD構成で標準価格139,980円。加えて、デル公式サイトでは頻繁に割引セールを行っており、現在は15%+ OFFの118,983円。(2017/8/30時点)
他社の同様なノートPCと同じくらいの価格帯で、買いやすくなっています。

13インチクラスのノートPCを探している人には非常にオススメです。

Powered by Blogger.