Nexus 5XとNexus 6Pで60fps動画を撮影する方法です。
これらの端末は本来、30fpsまでしか対応していませんが、一部ファイルを書き換えることによって60fps動画撮影を可能にします。
これらの端末は本来、30fpsまでしか対応していませんが、一部ファイルを書き換えることによって60fps動画撮影を可能にします。
動画の「fps」とは
動画の滑らかさを表すものとして「fps」(frame per second)があります。
何枚もの静止画像をパラパラ漫画のように連続表示しているのが"動画"ですが、fpsは名前の通り、「1秒当たりに何枚の画像(frame:フレーム)を表示しているか」を示しています。
この値が大きければ大きいほど動画が滑らかに見えます。
また、人間の目は60fps以上は認識できないと言われていることから、動画も60fpsあれば人間にとって自然な映像として捉えることができます。
いわゆる"ヌルヌル動く"最低ラインが60fpsということです。
※正確に言うと、60fps以上を認識できるが違いがわかりづらい
Nexus端末の動画撮影は最大30fps
現在最新のNexus端末は2015年に発売されたNexus 5X/6Pですが、これらは最大4k解像度(3840 x 2160)の動画撮影が可能です。
しかしその一方で、どの解像度(4k、フルHDなど)においても最大30fpsでしか撮影できません。
※スローモーション録画では240fpsで撮影可能
Nexus 5X/6Pだけでなく、現在(2015年)までに販売されている全てのNexus端末に共通して最大30fpsとなっています。
最近の殆どのメーカー端末では60fps撮影が可能であるのに対し、Nexusは何故かその半分でしか撮影できません。
Nexus 6P/5Xのカメラセンサ自体は60fps撮影に対応
前述の通りNexus端末は最大30fpsでしか撮影できないのですが、実はNexus 5X/6Pに搭載されているカメラセンサ自体は60fpsに対応しています。
これらの端末はSony製の「IMX377」というセンサを搭載しているのですが、そのスペックシートには「4kで60fps」「フルHD(1080p)で120fps」まで対応していると書かれています。
Nexus 5X/6Pに搭載されている「Sony IMX377」のスペック(「Sony Global - Products IMX377」より) |
このようにハードウェア的(カメラセンサ)には60fps撮影が可能なので、どうやら必要なソフトウェア的に足りない(プログラムを実装していない)ということが原因で実際は撮影できないようです。
逆に言えば、この足りないソフトウェアを用意すれば撮影可能になります。
ソフトウェアを書き換えて60fps撮影を可能にする
ということで、その足りないソフトウェアを用意して60fps動画撮影が可能にする方法を説明します。
この方法を行うことで、フルHD(1920 x 1080)とHD(1280 x 720)の60fps撮影が可能となります。
この方法を行うことで、フルHD(1920 x 1080)とHD(1280 x 720)の60fps撮影が可能となります。
今回はNexus 6Pを例に、ソフトウェアの書き換えと対応カメラアプリを導入して実際に60fps撮影ができるようになるまでを説明します。Nexus 5Xも同様の手順です。
なお、この方法は「Nexus 6P」「Nexus 5X」においてのみ有効です。他のNexus端末では利用できないので注意してください。
また、Android 6.0にて検証しています。それ以外のバージョン(Android 7.0など)では上手くいかない場合があります。
root権限が必要
まずは書き換えに必要なファイルを用意します。下記のファイルをダウンロードし、端末内に移動しておいて下さい。
こちらの一番上の投稿の「Attached Files」の「libchanger_6p.apk」をクリックして下さい。
- libchanger_6p.apk
※ソフトウェアを書き換えるアプリ
「提供元不明のアプリ」をONにしておく
最初に、「設定」アプリの「セキュリティ」の「提供元不明のアプリ」をONにしておいて下さい。
これを行わないと、ソフトウェアを書き換えるアプリをインストールできません。
60fps撮影可能なカメラアプリを導入する
続いて、60fps撮影に対応したカメラアプリを導入します。
なお、今回の方法で60fps撮影可能となるアプリは「FreeDCam」のみです。それ以外のアプリでは60fps撮影できないので注意して下さい。
なお、今回の方法で60fps撮影可能となるアプリは「FreeDCam」のみです。それ以外のアプリでは60fps撮影できないので注意して下さい。
- 「FreeDCam」のGoogle Playストアページを開く
- 「インストール」をタップする
- 「アンインストール」と「開く」が表示され、インストールできたことを確認する
ソフトウェアを書き換える
書き換えアプリのインストール
ダウンロードしたファイル(アプリ)をインストールし、書き換えます。
- ファイラーアプリで端末の内部ストレージを開く
※今回はASUS File Managerを使用
- 「必要なファイル」を配置してあるフォルダまで移動する
- 「libchanger_6p.apk」を開く
- 右下の「インストール」をタップし、アプリをインストールする
- 左下の「開く」をタップし、アプリを起動する
- root権限を要求された場合は、「許可」する
これで書き換えアプリをインストールし、実際に書き換える準備ができました。
アプリを使って書き換える
続いて、実際にソフトウェアを書き換えていきます。
- 「LibChanger」を起動する
※既に起動している場合は手順2へ進んで下さい
- root権限を要求された場合は、「許可」する
- 「FREEDCAM CUSTOM PROFILE」をタップし、カメラアプリ用の設定ファイルを書き込む
- 「Copying Done ...」と表示され、書き込まれたことを確認する
- 「BACKUP」をタップし、現在の内容をバックアップする
- 「RESTORE BACKUP」と表示され、バックアップが完了したことを確認する
※ここをタップすると、バックアップを使って書き戻します
- 「SELECT MOD」をタップする
- 「60fps_1080p」をタップし、60fps撮影に必要なソフトウェアを書き込む
※「Stock-MM」をタップすると、元に戻すことが出来ます。
- 再起動を促されるので、「DEVICE」をタップする
- 端末が自動的に再起動を始めるので、終わるまで待つ
これでソフトウェアが書き換えられ、60fps撮影が可能になりました。
カメラアプリの設定
最後に、カメラアプリの設定を変更します。
- 「FreeDCam」を起動する
- 録画・録音のためのアクセス許可を求められるでの、全て「許可」をタップする
あメディアファイルへのアクセス許可 撮影の許可 録音の許可 - チュートリアルが表示されるので、「Next」をタップして進め、「Close」をタップする
※もう表示させたくない場合は「Don't ask again」にチェックしてからタップして下さい
- 画面を左から右へスワイプし、設定画面を表示させる
- 左半面を下から上にスワイプし、下にスクロールする
- 左上の「API」をタップする
- 右半面に選択肢が表示されるので、「camera1」をタップする
- 左半面を上から下にスワイプし、上にスクロールする
- 右上の「Video Profile」をタップする
- 右半面に選択肢が表示されるので、「1080pHFR」をタップする
※HFR(High Frame Rate)=60fpsです
※初期状態で既に選択されていますが、選択し直さないと何故か100Mbpsという超高ビットレートで録画されてしまうことがあります
- 画面を右から左へスワイプし、撮影画面に戻す
これで設定は完了です。
実際に60fps撮影してみる
FreeDCamで動画を撮影するには、撮影画面右上の「MODE」をタップし、「Movie」をタップして動画撮影モードに切り替えてください。
撮影画面右上の「MODE」をタップ |
「Movie」をタップして動画撮影モードに切り替え |
撮影した動画は、内部ストレージの「DCIM」フォルダ内の「FreeDCam」フォルダに保存されています。(設定により、外部ストレージへの保存も可能)
※撮影した動画のビットレートが異常に高すぎる(100Mbpsなど)場合は、設定画面から一度異なる解像度(例えば、720pなど)を選択し、その後1080pHFRを選択し直して下さい。
※撮影した動画のビットレートが異常に高すぎる(100Mbpsなど)場合は、設定画面から一度異なる解像度(例えば、720pなど)を選択し、その後1080pHFRを選択し直して下さい。
実際にNexus 6Pで60fps撮影した動画がこちらです。現実の見た目と同じように"ヌルヌル"動いていることがわかると思います。
※右下の歯車アイコンから画質設定を「1080p60」または「720p60」にして下さい
参考情報
「デジタル手ぶれ補正」は使えない?
Google純正カメラアプリ(Google カメラ)にある「デジタル手ぶれ補正」(DIS)は60fpsでは有効にならないようです。
品質(60fps)よりも手ぶれ補正を優先したい場合は、Google カメラを使用して下さい。その場合、従来通り30fps動画となります。
初期状態では写真解像度が低いので注意
動画撮影とは関係ありませんが、初期状態だと静止画(写真)の解像度が「160 x 120」と非常に低いので注意して下さい。
途中の手順と同様に、設定画面を表示させて「Picture Mode」内の「Size」をタップして変更して下さい。
※最大で4032 x 3024を選択可能
※最大で4032 x 3024を選択可能