Snapdragon 820&4GB RAM搭載で約2万円の「Lenovo ZUK Z2」のレビューです。外観や実際に使ってみた感想などを書いています。
必要なものは一通り揃っているので買ってそのまま使えます。
特にUSB Type-Cケーブルが付属しているのは良いですね。まだ普及し始めたばかりなので、ケーブルを持っていない方もいるのではないでしょうか。
また、2週間程度使用しただけで、画像のようなキズが前・背面共に多数ついてしまいました。あまり硬度の高くないガラスを使用しているようなので、キズを付けたくない方は保護フィルムやケースが必須でしょう。
ちなみに、通知LEDは前面の右上に搭載されていますが、視認性に難ありです。ちょっとでも斜めから見るとかなり暗く、わかりづらいです。
また、ホームボタンは端末の操作にも使用されます。一般的なAndroid端末は「戻る」「ホーム」「アプリ履歴」の3つのボタンで操作を行いますが、本機では「U-タッチ」という機能でホームボタン1つに全て集約。ダブルタップや長押し、左右スワイプといったジェスチャーで操作を行います。
デフォルトでは、
ご覧の通り、日本語表示は可能ですが翻訳がめちゃくちゃです。下の画像はなんとか理解できるレベルですが、全く意味不明な部分もありました。英語表示のまま使用したほうがいいかもしれません。
上のメニューをリングアイコンをタップすると、HDRやHFR(スローモーション)などの設定ができます。
また、画面を右にスワイプすることで撮影モードの切り替えが可能です。
メインカメラは13MPで、4k動画撮影が可能。最大960fpsのスローモーション動画撮影もできます。
カメラ性能に定評のあるNexus 6Pと比較してみました。HDR以外の設定はデフォルト(もしくはオート)です。
※画像はファイル容量削減のために縮小しています。
昼間にHDR ONで撮影した画像です。色に深みが無く、鮮やかさが弱いですね。
右の拡大画像を見てみると、石表面のデコボコなどのディテールが表現できていません。右の窓枠周辺はノイズが多く、油絵のようになっています。
食べ物を撮影してみました。ZUK Z2はご飯の一部が白飛びし、潰れてしまっています。
最後に、撮影が難しい夜の画像です。ZUK Z2は、HDRが非常に良く効いているものの、中央の看板辺りが明るすぎて飛んでしまっています。色も若干薄い印象です。
これら以外にもいろいろ撮影してみたのですが、全体的な印象として
ということで、実際にDSDSを試してみた……と言いたいところなのですが、トラブルにより検証できませんでした。
というのも、何故かmineo D SIMを挿してもピクトが表示されず、一切通信できないという事態に。SMS無し/付きの2つのデータSIMで試したのですが、両方共にダメでした。
NTT docomo SIMでは通話・データ通信可能だったので、SIMスロットの故障というわけでは無いようです。
MVNOだったのでダメだったのでしょうか…?
カスタムROMは非公式版CyanogenMod 14.1(現 Lineage OS)などがリリースされていますが、Nexusなどと比較すると全体的に少ないようです。
また、CM14.1も含めて有志個人による非公式ビルドが大半で、あまり更新はされていないようでした。
自分でソースからビルドできるなら問題ないと思いますが、既にビルドされているROMをダウンロードして使う場合はあまり期待できないかもしれません。
ZUK Z2のカスタムROMについて詳しくはこちらの記事を参照して下さい。
なお、公式ROM(Factory Image)はBootloaderをUnlockすることなく導入可能です。詳しい手順はこちらの記事を参照して下さい。
Lenovo ZUK Z2
Lenovo ZUK Z2は、中国のLenovo傘下ZUKのスマートフォンです。
5インチ フルHD液晶、Snapdragon 820、4GB RAM、3,500mAhバッテリーを搭載し、4G+3GのDSDSにも対応したハイスペックな端末ですが、なんと実売約2万円という低価格で販売されています。
5インチ フルHD液晶、Snapdragon 820、4GB RAM、3,500mAhバッテリーを搭載し、4G+3GのDSDSにも対応したハイスペックな端末ですが、なんと実売約2万円という低価格で販売されています。
今回は海外端末などを販売するGearBestからZUK Z2の実機を提供して頂いたので、外観や使用感などをレビューしていきたいと思います。
- GearBest.com
※価格は2017/1/22時点、セール等で変動する可能性あり
メーカー | ZUK (Lenovo傘下) | |
名称 | ZUK Z2 | |
モデル | Z2131 | |
価格(メーカー定価) | 1,499元≒25,000円 (White) / 1,599元≒26,700円 (Black) ※2017/1/22時点 | |
OS | ZUI (Android 6.0 "Marshmallow") | |
SoC
| CPU | Qualcomm Snapdragon 820 MSM8996 4コア (2.15GHz x2 + 1.6GHz) |
GPU | Qualcomm Adreno 530 624MHz | |
RAM | 4GB LPDDR4 1866MHz | |
ROM | 64GB eMMC 5.1/5.0 | |
画面 | 5.0インチ FHD(1920 x 1080) 441ppi / LTPS LCD(液晶) | |
サイズ | 高さ:141.65mm / 幅:68.88mm / 厚さ:8.45mm | |
重さ | 149g | |
バッテリー | 3,500mAh | |
通信
| 2G(GSM) | 850 / 900 / 1800 / 1900 |
3G(W-CDMA) | 1 / 2 / 4 / 5 / 6 / 8 / 9 / 19 + TD-SCDMA: 34 / 39 | |
3G(CDMA2000) | 0 (800MHz) | |
4G(FDD LTE) | 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 | |
4G(TDD LTE) | 38 / 39 / 40 / 41 | |
リアカメラ | 13MP Samsung ISOCELL f/2.2 1.34μm / 位相差AF / 4K / HDR / 960fps スローモーション | |
フロントカメラ | 8MP 1.4μm f/2.0 | |
SIM | nanoSIM x2 (SIMロックフリー) / 4G+3G DSDS | |
microSD | 非対応 | |
接続端子 | USB Type-C (USB 2.0) / 3.5mmイヤホンジャック | |
無線通信 | Bluetooth 4.1 / Wi-Fi IEEE 802.11 ac/a/b/g/n 2.4&5GHz | |
スピーカー | モノラルスピーカー | |
センサ | GSNN (GPS/GLONASS/BeiDou/galileo) / 指紋 | |
色 | Black / White | |
備考 | ブートローダーのアンロックが可能 |
USB Type-Cケーブルと充電器が付属
パッケージ画像はホワイトですが、中身はブラックでした。
裏面のシールには「联想(Lenovo) ZUK Z2 Z2131」と書かれています。この端末の型番みたいです。
RAM 4GB/ROM 64GBのモデルで、製造日は2016年7月でした。
RAM 4GB/ROM 64GBのモデルで、製造日は2016年7月でした。
本体の下には黒いカードが入っていました。何かのクーポンなようです。
付属品はSIMピン、USB Type-C to Aケーブル、USB充電器です。充電器は日本でも使えるタイプのコンセントでした。
付属品はSIMピン、USB Type-C to Aケーブル、USB充電器です。充電器は日本でも使えるタイプのコンセントでした。
一番上に端末本体 |
「ZUK」と書かれた黒いカードが同梱 |
何かのクーポン券? |
SIMピンも付属 |
USB Type-C to Aケーブル、USB充電器も付属 |
特にUSB Type-Cケーブルが付属しているのは良いですね。まだ普及し始めたばかりなので、ケーブルを持っていない方もいるのではないでしょうか。
内容物一覧 |
なお、付属のUSB充電器は出力 5.3V/2.5Aでした。普通のUSBは5Vなので、若干高めでしょうか。
ちなみに、最初から画面保護フィルムが貼られています……が、透明度が低いので常用には適さないと思います。剥がして使うか、別途代わりのフィルムを用意する必要がありますね。
裏面にも貼られていますが、こちらはメーカーの品質認証シールなどが上から貼られてしまっているので剥がしたほうが無難です。
USB充電器は5.3V/2.5A出力 |
裏面にも貼られていますが、こちらはメーカーの品質認証シールなどが上から貼られてしまっているので剥がしたほうが無難です。
最初から画面保護フィルムが貼られていた |
全面ガラスのフラットデザイン
前面と背面はツルツルした全面ガラス。2.5Dエッジでラウンドしており、美しく手触りの良い仕上がりです。
ホームボタンやカメラの出っ張りはほとんど無く、フルフラットなデザインです。
知らぬ間に端末が滑り落ちて壊れていたという事態にもなりかねないので、置き場所に注意しましょう。保護ケースを着けるのもありだと思います。
また、2週間程度使用しただけで、画像のようなキズが前・背面共に多数ついてしまいました。あまり硬度の高くないガラスを使用しているようなので、キズを付けたくない方は保護フィルムやケースが必須でしょう。
ちなみに、通知LEDは前面の右上に搭載されていますが、視認性に難ありです。ちょっとでも斜めから見るとかなり暗く、わかりづらいです。
正面から見た通知LED |
斜めから見た通知LED。非常に暗く、わかりづらい |
スッキリした印象の側面
イヤホンジャック、USB Type-Cポート、マイク、スピーカーなどの穴のあるインターフェースは下面に集約されています。ここ以外の面はほとんどフラットなので、全体的にスッキリした印象です。
SIMスロット、電源ボタン、音量ボタンは右側にあります。クリック感も良く押しやすいです。
指紋認証対応ホームボタンを使った独特な操作
また、ホームボタンは端末の操作にも使用されます。一般的なAndroid端末は「戻る」「ホーム」「アプリ履歴」の3つのボタンで操作を行いますが、本機では「U-タッチ」という機能でホームボタン1つに全て集約。ダブルタップや長押し、左右スワイプといったジェスチャーで操作を行います。
端末の操作はホームボタン1つのみで行う |
- 軽くタッチすると戻る
- 押し込みでホーム
- 2回押し込みでアプリ履歴
- 左右スワイプでアプリ切り替え
といった感じです。
Androidで1ボタン操作というのがイレギュラーなので、正直使いにくい操作だなと感じました。初めて使う方は間違いなく戸惑うでしょう。
ホームボタンの押し込み感は安っぽく、カチャカチャ音が鳴り使い心地が悪いです。これを何度も押させる操作を採用しているため結構気になりますね。
~2017/1/26追記~
公式ROMではオンスクリーンキー(ナビゲーションバー)の表示が可能でした。公式ROMへの書き換え方法は下記「余談:root化やカスタムROMについて」を参照して下さい。
Androidで1ボタン操作というのがイレギュラーなので、正直使いにくい操作だなと感じました。初めて使う方は間違いなく戸惑うでしょう。
ホームボタンの押し込み感は安っぽく、カチャカチャ音が鳴り使い心地が悪いです。これを何度も押させる操作を採用しているため結構気になりますね。
~2017/1/26追記~
公式ROMではオンスクリーンキー(ナビゲーションバー)の表示が可能でした。公式ROMへの書き換え方法は下記「余談:root化やカスタムROMについて」を参照して下さい。
iOSライクなデザイン
ベースとなっているのはAndroid 6.0ですが、デザインは大幅に改変されておりiOSっぽくなっています。アプリ履歴画面はそっくりですね。
下から画面をスワイプアップするとクイック設定パネルが出現します。パネルの内容は設定から変更できます。
下から画面をスワイプアップするとクイック設定パネルが出現します。パネルの内容は設定から変更できます。
画面端からのスワイプアップで表示されるクイック設定パネル |
標準のホームにはアプリ一覧(ドロワー)が無く、画面にそのまま並べられています。ここもiOSっぽいですね……。
メーカー独自アプリなどもありますが、それほど多くありません。
メーカー独自アプリなどもありますが、それほど多くありません。
また、Google Playストアがインストールされており、アカウントを追加してそのまま利用可能です。ZUK公式ROMの時点でこうなっているのか、いわゆる"ショップROM"なのかはわかりませんでした。
→ショップROMでした。公式ROMへの書き換え方法は下記「余談:root化やカスタムROMについて」を参照して下さい。
→ショップROMでした。公式ROMへの書き換え方法は下記「余談:root化やカスタムROMについて」を参照して下さい。
4GB RAM&64GB ROM搭載なだけあってかなり余裕がありますね。たくさんのアプリをインストールし、同時に動作させても全く問題ないでしょう。
カメラは価格なりの写り
どことなくiOSに似た雰囲気でかなりスッキリしています。上のメニューをリングアイコンをタップすると、HDRやHFR(スローモーション)などの設定ができます。
また、画面を右にスワイプすることで撮影モードの切り替えが可能です。
カメラ撮影画面 |
13MPカメラ搭載で4k動画撮影も可能 |
カメラ性能に定評のあるNexus 6Pと比較してみました。HDR以外の設定はデフォルト(もしくはオート)です。
※画像はファイル容量削減のために縮小しています。
昼間にHDR ONで撮影した画像です。色に深みが無く、鮮やかさが弱いですね。
右の拡大画像を見てみると、石表面のデコボコなどのディテールが表現できていません。右の窓枠周辺はノイズが多く、油絵のようになっています。
国立科学博物館(上:ZUK Z2 / 下:Nexus 6P) |
すき屋 まぜのっけごはん朝食(上:ZUK Z2 / 下:Nexus 6P、左:HDR OFF / 右:HDR ON) |
関越自動車道 三芳PA(上:ZUK Z2 / 下:Nexus 6P、左:HDR OFF / 右:HDR ON) |
- 明るめで、白飛びする場合も
- 色が薄く、深みがない
- 細かい表現が苦手で、ノイズが多い
といった感じでした。
悪くはないのですが、Nexus 6Pのような価格の高いハイエンド端末と比べるとやはり劣っています。2万円という価格なりの写りですね。
DSDSは4G+3Gに対応
ZUK Z2はDSDSに対応しており、2枚のSIMの同時待ち受けが可能です。4G+3Gの組み合わせに対応しています。
ネットワーク設定画面にも2枚のSIMが表示されています。通話やデータ通信時にどちらのSIMを使うかといった設定が可能です。
ネットワーク設定画面にも2枚のSIMが表示されています。通話やデータ通信時にどちらのSIMを使うかといった設定が可能です。
nanoSIMを2枚挿入可能 |
SIMの設定画面。APNはNTT docomoと何故かIIJmioがプリセット(mineoは追加した) |
ということで、実際にDSDSを試してみた……と言いたいところなのですが、トラブルにより検証できませんでした。
というのも、何故かmineo D SIMを挿してもピクトが表示されず、一切通信できないという事態に。SMS無し/付きの2つのデータSIMで試したのですが、両方共にダメでした。
NTT docomo SIMでは通話・データ通信可能だったので、SIMスロットの故障というわけでは無いようです。
MVNOだったのでダメだったのでしょうか…?
余談:root化やカスタムROMについて
ZUK Z2はBootloaderのUnlockが可能でroot化やカスタムROM導入を自由にできるようです。
※Unlockすると修理等の公式サポートが受けられなくなります。
ただし、Unlockは公式サイトから申請する必要があるようです。詳しくはこちらの記事を参照して下さい。
カスタムROMは非公式版CyanogenMod 14.1(現 Lineage OS)などがリリースされていますが、Nexusなどと比較すると全体的に少ないようです。
また、CM14.1も含めて有志個人による非公式ビルドが大半で、あまり更新はされていないようでした。
自分でソースからビルドできるなら問題ないと思いますが、既にビルドされているROMをダウンロードして使う場合はあまり期待できないかもしれません。
ZUK Z2のカスタムROMについて詳しくはこちらの記事を参照して下さい。
なお、公式ROM(Factory Image)はBootloaderをUnlockすることなく導入可能です。詳しい手順はこちらの記事を参照して下さい。
まとめ
良い点
- ハイエンドクラスの高いスペック
- 全面ガラスのフラットなデザイン
- 2.5Dの両面ガラス
- 非常に安い(約2万円)
- 高速で正確な指紋認証
- 4G+3GのDSDS対応
悪い点
- 安っぽい側面フレーム、ホームボタン
- キズが付きやすい背面
- 価格なりなカメラ(他のスペックに比して貧弱)
- 使いづらいUI
- 日本語訳がめちゃくちゃ
- (mineo D SIMが使用できない)
※私の環境のせいかもしれません
総評
スペックが良く、何より値段が安い(2万円以下)のが魅力です。Snapdragon 820、4GB RAMとハイエンドスペックなのにこの値段はありえないと思います。
その一方で、側面やボタン、カメラ画質など各所で"安さ"を感じました。8~9万円するような"本当の"ハイエンド端末と比較するとやはりお金が掛かっていません。
ただし、作り自体が雑なわけではありません。品質には問題なく、可能な範囲でコスト低減が行われている感じです。
また、ソフトが使いづらいと思いました。極端にiOSに寄せられているUIは、シングルボタン操作が前提でAndroid標準ではありえません。日本語訳はめちゃくちゃで、機械翻訳そのままという印象です。
日本ではメーカー公式のサポートも期待できませんし、初心者の方にはかなり厳しいのではないかと思います。
日本ではメーカー公式のサポートも期待できませんし、初心者の方にはかなり厳しいのではないかと思います。
確かに高性能・低価格でコストパフォーマンスは良いかもしれませんが、クセが強く、万人にオススメできる端末ではありません。
ある程度Androidを知っていて、本機の特性を理解できる玄人向けの端末でしょう。ブートローダーのアンロックができますし、安くてハイスペックな端末にROMを入れて遊びたいというような方に最適だと思います。
Lenovo ZUK Z2はGearBestなどで約22,000円で販売されています。
- GearBest.com
※価格は2017/1/22時点、セール等で変動する可能性あり