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Lenovo ZUK Z2でau 3G SIMが使えるか検証してみた


Lenovo ZUK Z2でau 3G SIMが使えるか検証してみました。GRATINA 2のSIMをZUK Z2で検証したところ、ROMによって使用可能・不可能が異なることがわかりました。

Lenovo ZUK Z2はau 3G SIMが使える?

Lenovo ZUK Z2はSnapdragon 820、4GB RAMを搭載、4G+3GのDSDSにも対応しているハイエンドスマートフォンです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。


そんなZUK Z2ですが、CDMA2000という通信方式に対応しています。これは、日本ではauが3G音声通信(+3Gデータ通信)で使用しているものです。

調べてみると、実際にau回線で使えたという報告もある一方で、使えなかったという報告もありました。どうやらベースとなるROMによって使用可能・不可能が異なるようです。
(上記のレビュー記事でも若干触れていますが、ZUK Z2にはインド版・中国版の2種類の公式ROMが存在)

そこで今回は、どういう環境ならば本当に使えるのか?を検証してみました。

まずはSIMを用意する

検証の前に、まずはSIMを用意しなければなりません。

今回使用したのは、GRATINA 2 KYY10で契約したau 3G SIM(音声契約のみ/データ通信不可)です。
事前にGRATINA 2で通話試験を行っており、きちんと動作することも確認しています。
昔懐かしい二つ折りケータイの「GRATINA 2 KYY10」

準備①―PRL更新

ZUK Z2に限らず、au以外の端末でau 3G SIMを使う場合にはPRL(Preferred Roaming List)を最新版に更新する必要があります。

GRATINA 2では、以下の手順でPRLバージョンを確認することができます。
  • メニュー→ツール→グローバル機能→OK→PRL設定→バージョン情報
このバージョン情報に「00060」と表示されていれば既に最新版なので更新の必要はありません。今回は幸いにも00060だったので、更新不要でした。

逆に、これより古いバージョンだった場合、更新する必要があります。
PRL更新にはEZWebの契約が必要です。音声契約のみの場合はauショップ等で契約しておきましょう。

準備②―SIMをカットしてnanoサイズに

GRATINA 2で使われているのはmicroSIMです。一方、ZUK Z2はnanoSIMなのでカットする必要があります。
GRATINA 2はmicroSIMを採用
今回はこちらのSIMカッターを使いました。約800円と安価ですが、カッター本体とmicroSIM→nanoSIM用のカットアダプタや紙ヤスリなどがセットになっています。
SIMカット器具を使用した
カットアダプタにSIMをピッタリ装着し、カッター本体の奥までしっかりと差し込み、セット。よく確認し、一気にカットします。
カッター本体の奥までしっかり差し込むのがポイント
カット後のSIMがこちら。多少バリがあったので、紙ヤスリで整えました。
念のため、SIMアダプタに装着してGRATINA 2で認識するか確認しましたが、きちんと電波を掴んで通話もOK。無事にカットできたようです。
nanoSIMサイズにカットできた

ZUK Z2で検証

SIMを用意できたところで、ZUK Z2で検証していきます。

今回は以下の6パターンを試してみました。
カスタムROMはAICP 12.1-mordiford 20170301を使用しました。
  1. インド版ROM(2.0.093 ST@Android 6.0)を導入した場合
  2. インド版ROM(2.0.093 ST)を導入後、カスタムROMを導入した場合
  3. 中国版ROM(2.3.042 ST@Android 6.0を導入した場合
  4. 中国版ROM(2.3.042 ST)を導入後、カスタムROMを導入した場合
  5. 中国版ROM(2.5.334 ST@Android 7.0)を導入した場合
  6. 中国版ROM(2.5.334 ST)を導入後、カスタムROMを導入した場合
なお、ZUK Z2への各国ROMの導入(Factory Imageの書き込み)方法、カスタムROMの導入は以下の記事を参照して下さい。

インド版ROM

インド版ROM(2.0.093 ST@Android 6.0)を導入した場合です。

「KDDI」と表示されておりSIM自体は認識しているものの、アンテナピクトが立っていません。また、「Mobile network not available.」と表示され電話発信は不可能でした。
どうやら通信できていないようです。
インド版ROM(2.0.093 ST@Android 6.0)を導入した場合、au 3G SIMは通信不可能

インド版ROM→カスタムROM

インド版ROM(2.0.093 ST)を導入後、カスタムROMを導入した場合です。

こちらも先程と同じくSIMを認識しているものの、アンテナピクトが立たず通信不可能でした。
インド版ROM導入後にカスタムROMを導入した場合、通信不可能

中国版ROM

続いて、中国版ROM(2.3.042 ST@Android 6.0)を導入した場合です。

起動直後はインド版と同様、電波を掴まなかったのですが……数十秒待つとアンテナピクトが立ちました!
Networkが何故か「123456」とおかしな表示となっていますが、通話も可能だったので通信できているのは間違いなさそうです。
中国版ROM(2.3.042 ST)では通信可能
ついでにNTT docomoとのDSDSも試してみました。両方のSIMを認識し、アンテナピクトが立っています。端末上では、au回線は2Gとして認識されているようです。
NTTdocomoとのDSDSもOK
実際に、ウェブページの読み込みを行いながら着信を受けられました。ちゃんとDSDSが動作していますね。

中国版ROM→カスタムROM

中国版ROM(2.3.042 ST)を導入後、カスタムROMを導入した場合です。

ROMが変わったのでアンテナピクトが2Gではなく「R」(ローミング)になっていますが、しっかりと電波を掴んでいます。
通話テストも問題なく、通信可能なことを確認しました。
中国版ROM(2.3.042 ST)導入後にカスタムROMを導入しても通信可能

中国版ROM(Android 7.0)

今度はAndroid 7.0ベースの中国版ROM(2.5.334 ST)を導入した場合です。

最初のインド版ROMと同じく、いくら待ってもアンテナピクトが立たず、通話も不可能。通信できないようです。
同じ中国版だから通信できるだろうと考えていたのですが、意外な結果となりました。
中国版ROM(2.5.334 ST@Android 7.0)では通信不可能

中国版ROM(Android 7.0)→カスタムROM

最後に、Android 7.0ベースの中国版ROM(2.5.334 ST)を導入後、カスタムROMを導入した場合です。

スクリーンショットを撮り損ねてしまい画像がないのが恐縮なのですが、先程と同じくアンテナピクトが立たず、通信できませんでした。

まとめ

結果をまとめると以下の通りになります。

Lenovo ZUK Z2の環境別au 3G SIM動作状況
端末の状態ベースROMau 3G SIM
インド版公式
Android 6.0
2.0.093 ST
インド版公式→カスタムROM
中国版公式
2.3.042 ST
中国版公式→カスタムROM
中国版公式
Android 7.0
2.5.334 ST
中国版公式→カスタムROM

ZUK Z2でau 3G SIMを使うことができましたが、インド版は不可、中国版は可という結果に。これは確かにスペックシート通りで、中国版はCDMA2000に対応、インド版は非対応と記されています。導入ROM(Factory Image)によってバンドを切り替えているようです。

また、ベースとなるROMが重要で、カスタムROMに書き換えても変わらないということもわかりました。

一方、気になるのが、バージョンアップ後(2.5.334 ST@Android 7.0)の中国版ROM。この環境で何故通信できなかったのかという点です。
これに関しては、
  1. そもそも中国のスマートフォンでau 3G SIMが使えてしまうのは一種の”バグ”のようなもの(端末がローミングとして認識している)。それがAndroid 7.0ベースになって修正されてしまった?
  2. 通信可能だったバージョンからOTA更新したのではなく、直接、Factory Imageから導入したから?
などが考えられます。


結論として、au 3G SIMを確実に使いたい場合は、Android 6.0ベースの中国版ROMにしておいて、カスタムROM等でAndroid 7.0や7.1に対応するといいのではないでしょうか。


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