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Android端末(Nexus)のroot化・カスタムROMの導入と更新

Android端末のroot化・カスタムROMの導入と更新方法をNexus端末向けにまとめました。
端末のroot化、購入してからカスタムROM導入までとROMを更新するときの一連の流れを解説しています。
Androidのカスタマイズ(root化・ROM焼き)を行う場合、まずは一度読むことをおすすめします。
2015/12/26…カスタムROMに必要なgappsについて追記、手順修正
2015/8/15…CWMの開発が止まっていることについて追記
2014/11/11…パーティションのバックアップについて追記
2014/11/4…TWRPでの手順を追記
2014/8/11…記事タイトルの変更、標準ROMのroot化について追記
2014/4/26…ADBコマンドの導入について「準備」項目として追記

root化とは

端末のシステム管理者権限を取得することで、簡単に言うとiOS(iPhoneやiPad)の"脱獄"(Jailbreak)に近いです。

通常、ユーザーがどんな操作しても端末に不具合や異常動作が起きないようシステム領域(/system)やその他の重要な領域は操作・変更が出来ないようになっています。
root化を行って管理者権限を取得することで、それらの領域も自由に変更することが出来ます。
例えば、広告ブロックやアプリの完全なバックアップ(アプリ本体とデータ)などを行うことができます。

しかし、前述したように重要な領域を簡単に変更することが出来るため、最悪の場合、端末が起動しなくなったりすることに注意しておく必要があります。

カスタムROMとは

カスタムROMとは、端末メーカーが作った標準ROM(端末に元々搭載されているいわゆる”Stock ROM”)ではなく、有志の方などが作ったROMのことを言います。

カスタムROMにもよりますが、標準ROMより設定・カスタマイズ項目が豊富であったり、余計なアプリが削除されていたりします。

また、ほとんどのカスタムROMは最初からroot化されているため、root権限が必要なアプリもそのまま実行することが出来ます。

カスタムROMを使うメリットと注意点

カスタムROMを使う一番のメリットとしては、メーカーが提供していない最新バージョンのOSを使えることが挙げられます(ROM・端末による)。
このため、性能が低い古い端末でも新しいバージョンのOSを導入し、より長く快適に使用できるようになります。

また、標準ROMと比べて動作が軽快で電池持ちが良くなるように最適化がされていることも大きなメリットです。

但し、カスタムROMは端末メーカーではなく有志の個人や団体が開発しているものであるため、ROMによっては不安定であったり、完成度が低かったりすることに注意しなければなりません。
また、システム全体を書き換えるため、思わぬトラブル・不具合が起きる可能性もあります。

導入の際は事前によく調べ、バックアップを取るなどの対策をしておきましょう。

有名なカスタムROM

カスタムROMはOSのバージョン・端末により様々なものがありますが、その中でも有名なカスタムROMをNexus端末向けという観点から紹介します。
  • CyanogenMod(サイアノジェンモッド・略称、CM)
    公式サイト:http://www.cyanogenmod.org/
    Android 1.5時代から様々な端末に向けて開発されている最も有名なROMです。
    独自の機能や設定項目が少なく、Android OSの標準状態に近いことが特徴です。
    CyanogenModが公式にROMを提供していない端末でも有志によって独自に移植されることも多く、カスタムROMのスタンダードになっています。
  • AOKP(エーオーケーピー:Android Open Kang Project)
    公式サイト:http://aokp.co/
    Android 4.0時代から開発が始まったカスタムROMです。
    CyanogenModを元に開発されており、独自の機能や設定項目が多いことが特徴です。
    いち早くナビゲーションバーのカスタマイズ(ボタンの数や機能割り当て)に対応しました。
    CMと同じく公式提供されていない端末向けに移植されることも多いです。
    最近では開発が止まっています。開発再開が発表されました。
  • PARANOIDANDROID(パラノイドアンドロイド・略称、PA)
    公式サイト:http://paranoidandroid.co/
    Android 4.0時代からCyanogenModを元に開発が始まったカスタムROMです。
    独自の機能や設定項目が多く、HALO(ヘイロー)という通知機能を搭載していることが特徴です。HALOを使うことで擬似的なアプリのマルチウィンドウ表示も出来ます。→最近のリリースではこの機能は削除され、代わりにHoverという似たような機能が実装されています。
    アプリ毎にDPIを変更できる機能もあり、スマートフォン/タブレット表示を切り替えることが出来ます。(JellyBeanのみ)
    →最近では開発が止まっています。
  • MAHDI-ROM(マーディーロム)→Euphoria-OS(ユーフォリアオーエス)へ移行(Android 5.0)
    公式サイト:xdaの各端末向けのMAHDI-ROM・Euphoria-OSページ/Google+
    最近登場したカスタムROMです。様々なROMがミックスされていることが特徴で、CM11・AOKP・PARANOIDANDROID・SlimROM・OmniROM…などなどに組み込まれている機能を使用することが出来ます。機能の豊富さに加えて、動作も快適(端末に依ります)であるため、一度導入してみることをおすすめします。
    後継であるEuphoria-OS(Android 5.0)でも、既に様々な機能が取り込まれています。
    Euphoria-OSの詳細はこちらの記事を参照して下さい。

カスタムROMに必要なgappsについて

カスタムROMを使うには、ROM本体の他に「gapps」が必要となります。
gappsとは、Google純正アプリやサービスの詰め合わせで、これを導入しないとGoogle Playが使えなかったり、一部のアプリが正常に動作しなかったりします。

ほとんどのカスタムROMでは、カスタムROM本体とgappsは別々に提供されています。
そのため、カスタムROM本体の導入後に、別途gappsを導入する必要があります。
※一部、カスタムROM本体にgappsが既に内蔵されていることもあります。その場合は別途導入不要です。

gappsは、導入するカスタムROMのAndroidバージョン(Android 6.0など)・CPU(ARM/ARM64bitやx86など)に対応していれば、どれでも使用することができます。
※カスタムROMによっては使用するgappsが指定されていることがあります。その場合は、指定されたgappsを使用することをおすすめします。

また、一部のgappsでは含まれているアプリやサービスの数が異なるパッケージが用意されていることがあります。(nanoやmicro、fullなどと表記)
どのパッケージを導入しても動作はしますが、最低限必要なアプリやサービスだけが含まれた「nano」や「micro」などのパッケージを使うことをおすすめします。
「Official Slim GApps」の例。「zero」と「mini」で含まれるアプリやサービスが異なる。
gappsは多数ありますが、一例を紹介します。
  • The Open GApps Project
    最も更新頻度が高い。ARM(32bit)/ARM64(64bit)/x86(Intel)に対応。
    「nano」パッケージがおすすめ
  • Official Slim GApps
    The Open GApps Projectほどではないが、更新頻度が高い。ARM(32bit)/ARM64(64bit)に対応。
    ※「mini」パッケージがおすすめ。

root化・カスタムROM導入と更新の流れ

準備

まずはじめに、各作業で必要な「ADBコマンド」を使えるようにする必要があります。
ADBコマンドを使えるようにする方法はこちらの記事を参照してください。

また、予め、必要なファイル(ROMやrootのzipなど)はOS起動中に本体内蔵ストレージに移しておきましょう。
カスタムリカバリ(CWM/TWRP)を起動してからでも移すことは出来ますが、起動中のほうが簡単で楽にできます。

詳しくは後述しますが、「Bootloader(ブートローダー)のUnlock(アンロック)」後、一度端末を起動させた際に移動させておくと良いと思います。

使用するカスタムリカバリ(Recovery)について

root化やカスタムROM導入にはカスタムリカバリ(Recovery)が必要になります。

カスタムリカバリには大きく、CWM(Clockworkmod)TWRP(Team Win Recovery Project)の2種類があります。
  • CWM…古くから作られているリカバリで、見た目や機能もシンプルで多くの端末に対応
  • TWRP…CWMより後に登場したリカバリで、画面タッチでの操作に対応しており機能も豊富
Nexus端末では、どちらのリカバリも完全に対応しており、ROM焼きに必要なことを行うことが出来ます。自分が好きなどちらか一方を選んで使用してください。
 
~2015/8/15追記~
最近ではCWMは開発が止まっており、更新されていません。そのため、TWRPの使用をおすすめします。

パーティションのバックアップについて

端末を手に入れてからカスタムする前に、一度は全てのパーティションをバックアップすることをおすすめします。パーティションに関する詳しい情報は、こちらの記事を参照して下さい。

この作業は、一度行ってしまえば本体に更新が入らない限り、再び行う必要はありません。

下記手順では、「標準ROMを初めてroot化する場合」と「端末を購入してきてから初めてカスタムROMを導入する場合」に手順3として記載してありますが、既に一度バックアップをしている場合には実行不要です。

端末を購入し、標準ROMを初めてroot化する場合

Android 6.0以上の標準ROMをroot化する場合は、以下の手順と異なり「カーネルの書き換え」が必要になります。詳しくは「Nexus端末のroot化と暗号化解除(Nexus 6P/Nexus 5Xなど)」を参照して下さい。

この作業では、カスタムリカバリでroot化用zipファイルをインストールします。

ファイル(SuperSU)は、こちらから最新のものをダウンロードして下さい。(Downloadの項の「TWRP / FlashFire installable ZIP」の「Latest」からダウンロード)

ダウンロードしたら、手順2で端末に移動しておいて下さい。
  1. Bootloader(ブートローダー)のUnlock(アンロック)
    こちらの記事を参考に、BootloaderをUnlockし、カスタムリカバリ(CWM/TWRP)を起動できるようにします。
  2. 必要なファイルを端末に移す
    →「BootloaderのUnlock」により初期設定画面が表示されているはずです。Googleアカウントなどは設定せずにセットアップを進めてOSを完全に起動させ、必要なファイルを端末に移します。
    端末のロック(パターン、PIN、指紋認証など)は設定しないで下さい!設定されている場合は、必ず全て解除してから次に進んで下さい。
  3. カスタムリカバリ(CWM/TWRP)の起動
    →こちらの記事(CMW/TWRP)の「起動方法」参考に、カスタムリカバリ(CWM/TWRP)を起動します。
  4. 全パーティションのバックアップ ※一度も行っていない場合のみ
    こちらの記事を参考に、端末上の全パーティションのバックアップを取ります。(リカバリが起動している状態で行って下さい)
  5. 現在のROMのバックアップ
    →こちらの記事(CMW/TWRP)の「ROMのバックアップ・復元」を参考に、現在のROMのバックアップを取ります。
  6. root化用zipファイルをインストール
    →こちらの記事(CMW/TWRP)の「ファイルインストール方法(install zip)」を参考に、root化用zipファイルをインストールします。ファイル(SuperSU)は、こちらから最新のものをダウンロードして下さい。(Downloadの項の「CWM / TWRP / MobileODIN installable ZIP」から)
※手順6の後に端末を起動させた後、念のため「現在のROMのバックアップ」で取ったバックアップファイルをPCにコピーしておいて下さい。(TWRPの場合、内部ストレージの「TWRP」フォルダにあります)
また、初期設定画面をもう一度表示させたい場合は、設定アプリから端末の初期化を行って下さい。データが全て削除され、端末がroot化された状態で初期設定画面に戻ります。

端末を購入し、初めてカスタムROMを導入する場合

この作業では、カスタムリカバリでカスタムROMとgappsを導入します。

予め、導入したいカスタムROMとそれに対応したgappsをダウンロードしておいて下さい。
ダウンロードしたら、手順2で端末に移動しておいて下さい。

また、既にBootloaderをUnlockしている場合は、手順2から進めて下さい。
  1. Bootloader(ブートローダー)のUnlock(アンロック)
    こちらの記事を参考に、BootloaderをUnlockし、カスタムリカバリ(CWM/TWRP)を起動できるようにします。
  2. 必要なファイルを端末に移す
    →「BootloaderのUnlock」により初期設定画面が表示されているはずです。Googleアカウントは設定せずにセットアップを進めてOSを完全に起動させ、必要なファイルを端末に移します。
    端末のロック(パターン、PIN、指紋認証など)は設定しないで下さい!設定されている場合は、必ず全て解除してから次に進んで下さい。
  3. カスタムリカバリ(CWM/TWRP)の起動
    →こちらの記事(CMW/TWRP)の「起動方法」参考に、カスタムリカバリ(CWM/TWRP)を起動します。
  4. 全パーティションのバックアップ ※一度も行っていない場合のみ
    こちらの記事を参考に、端末上の全パーティションのバックアップを取ります。(リカバリが起動している状態で行って下さい)
  5. 現在のROMのバックアップ
    →こちらの記事(CMW/TWRP)の「ROMのバックアップ・復元」を参考に、現在のROMのバックアップを取ります。
  6. 現在のROMをWipe(消去)
    →こちらの記事(CMW/TWRP)の「ROMの書き込み(ROM焼き)方法 - 現在のROMをWipe(消去)する」を参考に、現在のROMをWipe(消去)します。
  7. カスタムROMを書き込む
    →こちらの記事(CMW/TWRP)の「ROMの書き込み(ROM焼き)方法 - 新しいROMを書き込む」を参考に、新しいROMを書き込みます。
  8. 初期設定を行う
    →カスタムROMが起動するので、初期設定を行います。

既にカスタムROMを導入しており、ROMを更新・入替えする場合

この作業では、カスタムリカバリでカスタムROMとgappsを導入します。

予め、導入したいカスタムROMとそれに対応したgappsをダウンロードしておいて下さい。
ダウンロードしたら、手順2で端末に移動しておいて下さい。
  1. 必要なファイルを端末に移す
    →ROMやgappsなど必要なファイルを端末に移します。
    端末のロック(パターン、PIN、指紋認証など)は設定しないで下さい!設定されている場合は、必ず全て解除してから次に進んで下さい。
  2. Titanium Backupでアプリのバックアップ
    こちらの記事を参考に、Titanium Backupでアプリ・設定のバックアップを取ります。
  3. カスタムリカバリ(CWM/TWRP)の起動
    →こちらの記事(CMW/TWRP)の「起動方法」参考に、カスタムリカバリ(CWM/TWRP)を起動します。
  4. 現在のROMのバックアップ
    →こちらの記事(CMW/TWRP)の「ROMのバックアップ・復元」を参考に、現在のROMのバックアップを取ります。
  5. 現在のROMをWipe(消去)
    →こちらの記事(CMW/TWRP)の「ROMの書き込み(ROM焼き)方法 - 現在のROMをWipe(消去)する」を参考に、現在のROMをWipe(消去)します。
  6. 新しいROMを書き込む
    →こちらの記事(CMW/TWRP)の「ROMの書き込み(ROM焼き)方法 - 新しいROMを書き込む」を参考に、新しいROMを書き込みます。
  7. Titanium Backupでアプリの復元(リストア)
    こちらの記事を参考に、Titanium Backupでアプリ・設定の復元(リストア)を行います。

元に戻したいときは

動作がおかしくなってしまったりした時は、Clockworkmodのバックアップがある場合にはそれを使用して戻すことができます。復元方法はこちらの記事を参照して下さい。

また、バックアップがない場合や完全に工場出荷時の状態に戻したいときは「Factry Imageの書き込み」を行うことで戻すことが出来ます。詳細はこちらの記事を参照して下さい。

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