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【レビュー】Android 5.0 LollipopのカスタムROM「Euphoria-OS」 - 機能紹介や使用感など

Android 5.0 LollipopのカスタムROM「Euphoria-OS」の使用レビューです。

 ROMの機能紹介や使用感などについて書いています。

Euphoria-OSとは

Euphoria-OS」(ユーフォリアオーエス・Android 5.0 Lollipop)は、人気のカスタムROM「Mahdi-ROM」(マーディーロム・Android 4.4 KitKat)のチームが作ったカスタムROMで、実質的な後継ROMになります。

Mahdi-ROMは、
  • CM11・AOKP・PARANOIDANDROID・SlimROM・OmniROMなどなど様々なROMの機能をミックスし取り込んだ豊富なカスタマイズ性
  • 多機能にも関わらず軽快な動作・高い安定性
が特徴でした。
これはEuphoria-OSも受け継いでおり、既に様々な機能を搭載しつつ目立ったバグもなく安定しています。

また、
  • かなりの部分が日本語化されている
  • 数日~数週間間隔で更新され、随時機能追加やバグ修正が行われている
  • 普通のメーカー端末のようにOTA対応で簡単に更新出来る
など、長期間利用できる環境が整っている点も魅力です。

対応する端末

 現在、公式にサポートされている端末は以下の通りです。
  • Nexus 4
  • Nexus 5
  • Nexus 6
  • Nexus 7(2013・Wi-Fiモデル / LTEモデル)
  • Nexus 7(2012・Wi-Fiモデル)
  • Nexus 10
  • OnePlus One
これらの端末以外にも、有志の方々によって作られた非公式版(Unofficial Build)が多数存在(例:Samsung GALAXYやSony Xperia、LG Gシリーズなど)しており、人気の高さが伺えます。

ROMの導入

一般的なカスタムROMと同様に導入することが出来ます。
カスタムROMの導入方法はこちらの記事を参照して下さい。

Android 5.0のROM全体に言えることですが、初回起動にかなり時間がかかります。性能が低い端末ほど長くなりますので、起動するまでしばらく待ってみてください。

OnePlus Oneの場合ROMの導入に必要な端末環境に更新するために、一度だけCyanogenMod12(どの日付のビルドでも可)を導入する必要があります(OnePlus One向けCM12はAndroid 5.0対応ブートローダーやモデムなどを同梱)。

そのため、OnePlus Oneのみは「CM12導入→ROMをWipe→Euphoria-OS導入」という手順になります。
なお、CM12導入は一度だけ実行すれば問題なく、次回以降(ROMの更新時など)は必要ありません

ROM本体のダウンロード

xdaの各端末スレッドGoogle+の公式コミュニティ投稿からダウンロード出来ます。

非公式版は各有志によって作成されているためダウンロード先は決まっていませんが、一部はGoogle+公式コミュニティの「Betas & Users Builds」カテゴリに投稿されています。

gappsのダウンロード

どのgappsでも問題無いと思いますが、PARANOIDANDROIDが提供している「OFFICIAL Up-to-Date PA-GOOGLE APPS (All ROM's)」が一般的です。
好みに応じて好きなパッケージを使用して下さい。

おすすめは、「NANO MODULAR PACKAGE(Google Play servicesとGoogle検索)」か「PICO MODULAR PACKAGE(Google Play servicesのみ)」です。

※ROMによって使用するgappsが指定されている場合はそれを使用して下さい。

ROMの機能

Euphoria-OSに搭載されている機能を設定アプリの項目に沿って一通り紹介します。

今回は、OnePlus Oneに導入した「Euphoria-OS-1.0-bacon-20150214.zip」を使用しています。(gappsは「pa_gapps-modular-nano-5.0.1-20150215-signed.zip」を使用)

※OnePlus One以外の端末では、一部機能などが異なる場合があります。
※カスタムROMは日々更新されています。異なるビルドでは追加・変更・削除されている機能などがある可能性があります。

初期設定画面

Android 5.0の標準的な設定画面です。
もちろん「タップ&ゴー」や「アプリとデータを取得」などの機能も使用することが出来ます。

ホーム画面

Android 5.0の標準的な画面です。壁紙はデフォルトのものが設定されていますが、Euphoria-OS独自のものを選ぶことも出来ます

設定画面

Wi-Fi

Wi-Fi詳細設定」では、「Wi-Fi connected notification」というものが追加されています。
これは、Wi-Fiに接続した時にそのアクセスポイント名を表示するもので、「Toast(トーストメッセージで表示)」「Notification(通知で表示)」「Notification with sound(通知と音で表示)」から選択することが出来ます。
トースト表示
通知表示

ディスプレイ

適応バックライト」「太陽光強化」「色の補正」が追加されています。(OnePlus Oneのみかもしれません)
これらの機能は、OnePlus One向けのCM11Sでも搭載されていたもので、画面の見やすさ向上や電池持ち改善に貢献します。
また、「画面の色」が追加されており、こちらもCM11Sのようにプレビューを確認しながら画面の色合いを変更することが出来ます。
しかし、現在はまだ未対応なようで、パラメータを変更しても反映されませんでした…。

Nexus 6が搭載している端末を取り上げると自動的にスリープから復帰する「アンビエント表示」にも対応しています。
回転」では、画面の回転モードを「0度」「90度」「180度」「270度」から選択することが出来ます。
LCD density」では、画面密度を変更することが出来ます。(変更すると自動的にシェルが再起動)
Screen recorder」では、画面の録画に関する設定を行うことが出来ます。
External audio」を有効にすると、マイク音声も録音されます。(後述の「電源メニュー」から録画ボタン表示可能)
ダブルタップでスリープ解除」を有効にすると、画面のダブルタップで端末をスリープ状態から復帰させることが出来ます。

音声と通知

着信音量の増幅」で、着信音を徐々に増加させることが出来ます。
また、「着信と通知の音量をリンク」させることが出来ます。
割り込み」の「Heads up notification」では、通知を画面上にポップアップ表示する「ヘッドアップ通知」を設定することが出来ます。
通知の表示時間(Time out)アプリ毎に表示・機能の無効化(Do not disturbとBlacklist)したりすることが出来ます。
Quick access button」を有効にすると、ヘッドアップ通知の有効/無効を通知バー上部のアイコンからワンタッチで切り替えることが出来ます。
画面上部に表示されているのが「ヘッドアップ通知」
その他の音」では、通知音の長さを変更(Less frequent notification sounds)したり、充電時の音(充電の音)の有効化・設定を行うことが出来ます。

通知のライト」では通知LEDを、「電池のライト」では充電時のLEDをそれぞれ設定することが出来ます。
ボタン」では、ナビゲーションバーの表示・非表示(ハードキーがある端末のみ?)の設定ハードキーバックライトの設定を行うことが出来ます。
ボタンレイアウト(ボタンとレイアウト)を行うことが出来ます。
「Mahdi-ROM」ではかなり自由にカスタマイズ出来ましたが、現在は特定のレイアウトのみ可能なようです(CyanogenMod方式)
編集をタップ
変更したい部分をタップ
動作を選択
保存をタップ
ボタン配置が保存される
ナビゲーションバーの高さ(Dimensions)も設定することが出来ます。
また、ホームボタンをスワイプした際に表示される「ナビゲーションリング」の有効・無効や割り当てを変更(ナビゲーションリングのターゲット)することが出来ます。
編集をタップしてから、変更したい部分をタップ
右上の緑色チェックアイコンをタップして保存
この他、ハードキーの割り当て(有効時のみ)を変更することが出来ます。
電源ボタン長押し時に表示されるメニューを変更(電源メニュー)することが出来ます。
音量ボタンの挙動も変更することが出来ます。

カスタマイズ


「ステータスバー」では、ステータスバーに関する項目を設定することが出来ます。

Clock」の項目では、日付の表示(形式)・非表示を設定することが出来ます。

ネットワーク通信量」では、ステータスバー上に現在の通信速度を表示することが出来ます。

電池の状態のスタイル」で電池アイコンを、「電池のパーセント表示」で電池の数値表示をすることが出来ます。

この他、通知数の表示(Notification count)ステータスバー上をスライドして明るさ変更(明るさコントロール)天気表示(Weather)などを設定することが出来ます。

通知ドロワー」では、通知画面に表示されている設定パネルに関する項目を設定することが出来ます。
タイルの選択と並べ替え」では、表示する設定パネルを変更することが出来ます。
「追加」アイコンをタップしてタイルを追加、各タイルを長押しして「削除」アイコンに重ねて削除などが出来ます。
変更前
変更後
拡張デスクトップ」では、アプリ毎に起動時にステータスバーやナビゲーションバーを隠す「没入モード」に設定するか否かを変更できます。

Clock widget」では、ロック画面に表示されている時計ウィジェットの設定を変更できるようですが、設定が反映されず現在のところは対応していないようです…。

Recent panel」の項目では、「Serch bar」で、アプリ履歴画面の検索バー表示・非表示の切り替え、「Clear all button」でアプリ履歴の一括削除などを設定することが出来ます。
初期状態
検索バー非表示・Clear all button表示

テーマ

CyanogenMod11準拠のテーマ機能です。
好きなテーマを追加・適用して、色合いや見た目などのデザインを簡単に変更することが出来ます。

システムプロファイル

CyanogenModに搭載されているプロファイル機能です。
状況に応じて、端末を予め決めた設定に一括で変更することが出来ます。

プライバシー

アプリの権限(プライバシーガード)特定番号からの着信拒否(ブラックリスト)アプリ毎の通知フィルタリング(通知のフィルタリング)などを設定することが出来ます。

通知のフィルタリングは、通知ドロワーに表示されている通知を長押しして、「ベル」アイコンタップで追加することが出来ます。
追加した通知を削除するには、その通知をタップして「削除」をタップします。

ジェスチャー

OnePlus Oneに元々搭載されていたジェスチャー機能を設定することが出来ます。(端末により異なる)

パフォーマンス

CPUクロックやI/Oスケジューラの設定を変更することが出来ますが、現在はまだ設定項目が少ないようです。

開発者向けオプション

※開発者向けオプションの表示方法はこちらの記事の「開発者向けオプションを表示する」を参照して下さい。

高度な再起動」を設定すると、再起動オプションを追加することが出来ます。
ルートアクセス」で、root権限の有効・無効を選択することが出来ます。(基本的には「アプリとADB」を選択して下さい)
※この項目を設定しないとroot権限を使用することが出来ないため注意が必要です。
戻るボタンでアプリを終了」を設定すると、戻るボタンを長押ししてアプリを強制終了することが出来ます。

端末情報

更新」では、普通のメーカー端末のようにOSをOTA更新することが出来ます
※カスタムリカバリをRecovery領域に導入しておく必要があります。

アプリ

標準でインストールされているアプリの一覧です。
少なくてすっきりしています。

イコライザー

標準でイコライザーアプリ「AudioFX」(OnePlus Oneに搭載)がインストールされています。

カメラ

4k UHD動画撮影に標準対応しています。(元々対応している端末のみ)

実際の動作画面

動作画面を撮影してみました。実際の動作速度がわかると思います。
※ROMの機能である「Screen recorder」で撮影(720x1280)しています。

使用感

機能など

Android 5.0のカスタムROMにしてはカスタマイズ項目が非常に多く、自分好みに設定することが出来るため、かなり使いやすいです。

特に、ナビゲーションバーや通知ドロワー上の設定パネルのカスタマイズが非常に便利です。

また、日付表示やネットワーク通信量の表示、アプリ毎の拡張デスクトップの設定、プライバシー機能など細かいところのカスタムにもしっかり対応しており、Android 5.0でXposedがまともに使えない現状では尚更便利であると感じました。

元々OnePlus Oneに搭載されている機能(太陽光強化や色の補正・4k動画撮影・ダブルタップでスリープ解除など)も使用できるもため、端末固有の快適性を損なうことが無い点も良いと思います。

動作や電池持ち

ROM標準カーネルのままにも関わらず動作は非常に軽快でした。
Mahdi-ROMもかなり軽快でしたが、それよりスムーズに動いている印象です。アプリを入れ、起動してもほとんど速度が落ちることが無く快適です。

電池持ちもAndroid 4.4の頃と特に変わった印象はなく、問題ありませんでした。
※動作速度や電池持ちなどは端末により大きく異なります。

まとめ

Android 5.0のカスタムROMは出てきたばかりで、Android 4.4ではあった機能が未だ実装されていない・Xposedが使用できないなど使いづらい印象があるかもしれません。

しかし、実際にEuphoria-OSを導入してみて、思っていた以上に機能が搭載されており、これならカスタマイズして十分使えると感じました。

また、継続した開発とリリースが行われており、今後も更に機能が増えたり安定してくると思うので、長く使えるROMになるのではないかと思います。

Nexus 7(2012)やGALAXY Nexus(非公式版ですが)にもリリースされているので、それらの端末にも導入してしばらく運用していきたいと思います。

Android 5.0のカスタムROMを導入しようと思っている方は、一度試してみてはいかがでしょうか?
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