ニュース

【レビュー】Android TV搭載セットトップボックス(STB)「Nexus Player」

Android TV搭載セットトップボックス「Nexus Player」の購入レビューです。

 実際の製品外観や初期設定方法、使用感などを書いています。

Android TVについて

 Android TVとは、Googleが開発しているセットトップボックス(STB)向けのOSです。Android TVの名の通り、Androidがベースになっており、Google Playからアプリをインストールして利用することができます。
 セットトップボックスとは、動画やゲーム、アプリなどのデジタルコンテンツをテレビなどの画面に表示する端末のことを言います。このAndroid TVは、セットトップボックスでの使用に特化されているため、普通のAndroidとは異なりリモコン操作でも使いやすいように設計されています。
 Android TV搭載端末は、Google I/O 2014で配布された開発者向け端末「ADT-1」が最初で、続いてGoogleが販売する「Nexus Player」があります。また、一般向けテレビOSとしてSonyやSHARPを含む大手家電メーカーが搭載を表明しており、今後搭載端末が増えていく予定です。(日本でも2015年夏に販売予定)

Google Cast機能内蔵

 Android TVはGoogle cast機能に対応しており、スマートフォンやタブレットにある音楽や映画、ウェブページなどのコンテンツをテレビに映し出すことができます。コンテンツをインターネット経由で受信、表示することができます。似たようなものにMiracastがありますが、こちらは端末とディスプレイを直接接続し端末画面を表示するのに対し、Google Castではコンテンツ供給サーバが端末を介さずにディスプレイへ送信するため、端末の電力を消費しない上、他の作業を行うこともできます
 Google Castに対応しているアプリはこちらのサイトで確認することができます。また、PCブラウザ「Google Chrome」ならば拡張機能によって閲覧しているページをcastすることができます。

Nexus Player

 Nexus Playerは、台湾のASUSTeK Computerが製作したセットトップボックスです。ASUSTeK Computerが製作するNexus端末としては、「Nexus 7 (2012)」「Nexus 7 (2013)」に次いで3機種目になります。
 OSは、最新のAndroid TV 5.1.1を搭載しています。Nexus端末として販売されているため、常に最新のOSに自動的に更新される上、他のNexusと同様にBootloaderのUnlockが容易でroot化やカスタムROM導入などを行うことが可能です。
 製品は、端末本体とリモコンから構成されており、本体をテレビやディスプレイに接続し、リモコン(Bluetooth接続)から操作を行います。操作は、ボタンとマイクによる音声入力によって行います。
また、アクセサリーとして専用ゲームパッド(Bluetooth接続)が販売されており、こちらでも操作することが可能です。(他のスマートフォンなどでも利用可能)
製品に関するより詳しい情報は、「【Nexus】「Nexus 6」と「Nexus 9」と「Nexus Player」が正式発表! - 特徴・まとめなど」の「Nexus Player」を参照して下さい。

購入

公式販売

 以下の販売元から購入することが出来ます。
※Google Play ストア 日本から購入した場合、サポートは「Google Play ストア 日本」になります。
※Google Play ストア 日本以外から購入した場合、「ワイモバイルがメーカー・販売元扱い」となり、サポートはワイモバイル(または、ASUS 日本)になります。
  • Google Play ストア 日本
     12800円(税込)
  • ワイモバイル
     12800円(税抜)
    ※Y!mobile オンラインストア及び全国のワイモバイルショップにて販売、2000円分のGoogle Playクーポン付き
  • SoftBank
     12800円(税抜)
    ※全国のフトバンクショップにて販売、2000円分のGoogle Playクーポン付き
  • 家電量販店…ヨドバシカメラ・ビックカメラ・ヤマダ電機など
     12800円(税抜)
    ※ワイモバイルがメーカー・販売元扱い、2000円分のGoogle Playクーポン付き

フリーマーケットやオークション

 今回はフリーマーケットサイト(メルカリ)で購入しました。私の場合、新品未開封品が送料込みで6500円でした。
メルカリやヤフーオークションでは、新品未開封品(クーポン付きの物もあり)が7000円前後から取引(中には5000円も)されており、正規購入よりかなり安く入手することができます。
 オークションやフリーマーケットでは個人対個人の取引になるためトラブル等が不安かもしれませんが、安く入手したい方は検討の価値ありだと思います。

※実は、ワイモバイルやSoftBankでは契約時にプレゼントとしてNexus Playerが貰えるため、そこから大量に流れてきているようです……。

主要スペック

 主要なスペックは以下の通りです。
メーカーASUSTeK Computer
モデルWi-Fi モデル(TV500I)
価格12800円(税抜)
参考(アメリカ):$99($20のGoogle Play ストア クーポン付き) / 別売ゲームコントローラ:$39.99
OSAndroid TV
SoCIntel Atom 1.8GHz 4コア / IMG Power VR 6 シリーズ
RAM1GB LPDDR3
ROM8GB eMMC
サイズ高さ:120mm / 幅:120 mm / 厚さ:20mm(円型デザイン)
重さ235g
画面なし(テレビやディスプレイなどに接続して使用)
バッテリーなし(電源に接続して使用)
microSDなし
接続端子microUSB 2.0 / 4mm DC 18W 電源ジャック / HDMI(1920×1080 / 60Hz / 24dpp)
無線通信Bluetooth 4.0 LE / Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac 2×2 MIMO
スピーカーなし
ブラック
付属品リモコン(Bluetooth LE 4.0接続 / 40g / 37mm×140mm×16mm / 他のスマートフォンなどでも利用可能) ※HDMIケーブルは付属していません
備考Google Cast対応・専用ゲームパッドも販売(他のスマートフォンなどでも利用可能)

製品外観

 SoftBankロゴが書かれたダンボール箱に入れられていたため、恐らくSoftBankグループのプレゼントキャンペーン品であるようです。
 箱全体がビニールに覆われ、表には2000円分のGoogle Playクーポンコードが貼り付けられていました。
 化粧箱の表には、製品画像と「nexus player」という文字が書かれています。
 側面には、各種規格ロゴやモデル番号(TV500I)、シリアル番号などが表示されています。また、問い合わせ先が書かれたシールが貼られています。(ワイモバイル取扱品なので、ASUSが問い合わせ先)
裏には、対応アプリやPlayストア・Google Cast対応ロゴが表示されています。
側面には、Nexus Playerの簡単な説明が書かれています。
外枠を外すと、表に「P」のデボス加工されていました。
(画像撮り直し)
 封止シールを剥がして開封すると、まず本体が目に入ります。全面がシールで保護されています。
表面は中央に「nexus」の文字が彫り込まれ、ザラザラとしたつや消し加工になっています。
一方、側面はつや出し加工により光沢があります。
裏面は、中央上に「ASUS」ロゴが彫り込まれ、ゴムのような滑り止め加工で滑らずにしっかりと置くことができます。
 一番上の小さな穴のような部分は「インジケーター ライト(白色LED)」で、端末の起動時には点灯して状態を通知します。
 中央の大きなボタンは「ペアリング&リセットボタン」で、Bluetoothリモコンをペアリングする時やBootloaderを起動する時などに使用します。
下部には、技適を含む各種認証ロゴが表示されています。
 その上の側面には接続用ポートがあります。(左からDCコネクタ、microUSB、HDMI)
 本体の下には、「nexus」と書かれたものが入っています。
 こちらにはセットアップ方法や付属品がわかりやすく図で書かれています。
 更にその下には、付属のBluetoothリモコンが入っています。
 リモコンは全体がザラザラとしたつや消し加工で、一番下には「nexus」の文字が彫り込まれています。
 リモコンの一番上の小さな穴のような部分は「インジケーター ライト(白色LED)」と「マイク」を兼ねており、ペアリング時や音声入力時に点滅・点灯して通知します。
 その下には音声検索ボタン、更にその下には十字キー(D-pad)戻るホーム再生/一時停止ボタンがあります。
 裏面には「ASUS」ロゴが彫り込まれています。こちらの部分をスライドすると電池を入れることができます。
 リモコンの下には給電用のACアダプタとリモコン用の単4電池(2本)が入っています。
 「ASUS」ロゴが彫り込まれたACアダプタです。ケーブルの長さは約140cmと長さがあるためコンセント差込口が離れている場合でも対応できそうです。マジックテープが付いているため調整ができます。
 側面の仕様欄によると、出力は「DC 12V 1.5A」となっています。
 ACアダプタの下には説明や保証に関する書類が入っています。
 保証は購入から1年間(恐らく無償保証期間という意味)となっています。
 こちらが箱に入っていたものです。

接続・初期設定

テレビ・ディスプレイとの接続

 テレビとはHDMIケーブルで接続します。
 テレビ側にHDMIケーブルを接続し、このように本体にも接続します。
 続いて、ACアダプタケーブルを接続します。
ACアダプタを接続すると自動的に本体の電源が入ります。

初期設定

 電源が入ると、まず初めにリモコンとのペアリング画面が表示されます。
 画面の指示通りに「戻る」ボタンと「ホーム」ボタンを数秒間押し続けてペアリングします。
 リモコンを操作して日本語を選択します。
 リモコンの決定ボタンを押すと、Wi-Fi接続設定画面になります。
 接続したいWi-FiのSSIDを選択して決定し、画面上に表示されるキーボードをリモコンで操作して接続パスワードを入力します。(物理キーボードを接続している場合はそれで操作可能)
 Wi-Fiとの接続が完了しました。
 続いて、Googleアカウントへのログイン画面になります。
スマートフォンなどと同じようにアカウント名とパスワードを入力してログインすることもできるのですが、今回は携帯電話やノートパソコンを使うより簡単な方法を試してみました。(スマートフォンなどでログインしているアカウントでログインされます)
 「携帯端末またはノートパソコンを使用」を選択し、次へ進みます。
 画面に表示されたURLへアクセスするように指示されるのでアクセスします。
今回は、スマートフォンでアクセスしました。
 ※同じネットワーク(Wi-Fiなど)に繋いだ機器でアクセスする必要があります。
 スマートフォンでアクセスすると、テレビ画面に表示されたPINコードを入力するように指示されるので、入力して次へ進みます。
 テレビ画面に端末が接続されたと表示されるので、スマートフォン画面の「CONTINUE」をタップし、更にログインをタップして続けます。
 これでログインが完了しました。
 この後は、テレビ画面に表示された指示に従って進めていきます。
 初期設定が完了しました。

使用感など

  • テレビの大画面・スピーカーでコンテンツが使用できる
     大きな画面でYouTubeや映画、ゲームが出来るので迫力のある映像を感じることができました。特に、家族での視聴など複数人で見るのに向いていると思います。
     また、テレビにスピーカー(サラウンドシステムなど)を接続している方もいると思いますが、そのような音質の良い環境で音楽を聞くことができます。
     特に、Kodi」というSTBに特化された動画・音楽再生アプリがあり、これを使うとPCに入ってる動画などをDLNAで直接視聴することができる上、リモコン操作も考慮されておりかなり便利でした。(字幕・音声選択も可能)
  • Google Cast対応
     意外と便利で、音楽を聞きながら家に帰りそのままスピーカーで聞くことができますし、スマホで撮った動画や写真をテレビで再生することが出来ます。
  • 意外と軽快な動作
     RAMが1GBということで動作面が心配でしたが、意外にもスムーズに動きます。動画はもちろん問題ありませんが、ゲームも普通に動きました。ただ、やはり多くのアプリを起動していると重くなることがあります。(きちんとアプリを終了すれば問題なさそうですが)
  • PS3のコントローラが使える
     PS3のコントローラがUSBを繋ぐだけで使えました。実際にゲームパッド対応ゲームをプレイしましたが問題なく使用出来ました。無線接続の純正コントローラ(ゲームパッド)もありますが5000円程するので、配線が気にならない方はこれで十分だと思います。
     ちなみに、こちらのアプリを使用することでスマートフォンをリモコン代わりにすることも出来ます。
  • カスタムROMを導入できる
     NexusなのでカスタムROMを導入することが出来ます。ROMによっては完全に普通のAndroidなものもあるので、それらを入れればスマートフォンなどと同様に使用することが出来ます。(マウス・キーボード必須)
  • 対応アプリが少ない
     Android TV搭載機器がそんなに出ていないためか、対応アプリが少ないです。
     また、実際は対応しているのにNexus Playerから検索しても表示されないものもありました。
  • 本体容量が少ない
     8GBしか無い(実際に使えるのは5GB少し)のでアプリをインストールするとすぐに埋まってしまいます。特に、最近のゲームは容量が1GBを超えているものも多いので、4~5本しかインストール出来ないこともあります。
  • 音声検索が不安定
     Nexus Playerはリモコンに搭載されたマイクで音声検索をすることができるのですが、本体の設定後しばらく使っていると音声検索が出来なくなってしまいます。これがかなり問題で、デフォルトでは音声以外の入力手段が無いため検索することができず相当不便です。ただ、これはソフトウェアの問題なので修正に期待したいところです。
  • ゲームや動画・音楽視聴以外の使い道がない
     そもそも、Android TV自体がゲームや動画・音楽などのコンテンツを楽しむことに特化されたOSなので、それら以外となるとあまり使い道がありません。普段から動画を借りて見ることが多いという方には(Play MovieやHulu、Gyaoなどがあるので)おすすめできますが、そういうことをしない方は持て余してしまうかもしれません。一応、マウスやキーボードを繋いでChromeブラウザをインストールすればWebページを見ることもできますが、そこまでやるならPCを使ってしまう気がします。

まとめ

  • Nexus PlayerはAndroid TVを搭載したセットトップボックス(STB)
  • 価格は12800円だが、ヤフオクやフリマなどで安く入手可能
  • コンテンツをテレビの大画面・高音質で楽しめる
  • 対応アプリと容量の少なさが難点
  • ゲーム・動画・音楽好きな方におすすめ
 興味があったのと安く入手可能だったので買ってみましたが、使う人を選ぶ端末だなと思いました。既存のテレビをスマートTV化しコンテンツを大画面・高音質で楽しめるというのは面白いのですが、やはり普段からゲームや動画を頻繁に見る方でないと持て余してしまうと思います。
 しかし、逆にそういった方にはぴったりで、ネットの動画やゲームをサクッと簡単に楽しむことができる便利な端末だと思います。
 フリマやオークションではかなり安くなっているため気になっている方はいかがでしょうか?
Powered by Blogger.