Android Wearでadbを使えるようにするには
Android WearもAndroidと同じくPCからadbコマンドで操作することができます。
adbの実行方法は次の2通りがあります。
1つ目は、普通のAndroidと同様にUSB接続を使用する方法です。
Android SDKとJDK（Java）をPCにインストールした後、Android WearをUSB接続することで使えるようになります。
- PC→（USB接続）→Android Wear
こちらは有線による接続なので安定している上、ブートローダーやリカバリでも操作ができます。
2つ目は、Bluetooth接続を使用する方法です。
Android WearとAndroid端末をBluetooth接続し、更にAndroid端末とPCをUSB接続します。
moto360などUSB接続が不可能な端末や接続が面倒な場合に使用します。
- PC→（USB接続）→Android→（Bluetooth接続）→Android Wear
こちらはAndroid Wearを装着したまま操作できるため楽なのですが、Bluetoothなのでファイルの転送などに時間がかかります。
また、ブートローダーやリカバリでは操作できません。（BluetoothがOFFになるため）
事前準備
まずはじめに、下記の記事を参考にしてPCからAndroidに対してadbコマンドが使えるようにしておいてください。
USBで直接接続する場合
手順は普通のAndroidとほとんど同じです。
Android Wearでデバッグモード（ADBデバッグ）をONにし、PCと接続するだけです。
- Android Wearの「設定」アプリを開く。
- 一番下までスクロールし、「端末情報」をタップして開く。
- 少し下にスクロールし、「ビルド番号」を7回連続でタップする。
- 左から右にスワイプして前の画面に戻り、「開発者向けオプション」をタップして開く。
- 少し下にスクロールし、「ADBデバッグ」をタップして開く。
- 有効にするか確認画面が表示されるので、右のチェックボタンをタップする。
- 有効になっていることを確認する。
これでAndroid Wearをデバッグモードにすることができました。あとはPCとUSB接続し、adbドライバをインストールするだけです。
ドライバのインストールは下記の記事を参考にしてください。
ドライバのインストールが完了し、PCでAndroid Wearが認識できればadbコマンドを利用することができます。操作は普通のAndroidと同様にコマンドプロンプトから行います。
Androidを介してBluetooth接続する場合
事前にPCから母艦となるAndroid端末に対してadbコマンドを使えるようにしておいてください。
Android Wear端末で「Bluetooth経由のデバッグ」を許可
Android Wear端末でBluetooth経由のデバッグを許可します。
- 「USBで直接接続する」の手順1～7を実行し、「ADBデバッグ」を有効に設定する。
- 「Bluetooth経由でデバッグ」をタップする。
- 有効になっていることを確認する。
- ウォッチフェイス画面に戻り、「デバッグ」というカードが表示されていることを確認する。
Android端末をデバッグモードに設定
母艦となるAndroid端末で開発者向けオプションを表示させ、デバッグモードに設定します。下記の記事を参考に行ってください。
※既に行っている場合は不要
※既に行っている場合は不要
Android WearアプリでBluetooth経由のデバッグをON
Android WearアプリでBluetooth経由のデバッグをONにします。
- Android Wearアプリを開く。
- 右上の設定ボタン（歯車アイコン）をタップして、開く。
- 一番下までスクロールし、「Bluetooth経由のデバッグ」をタップする。
- ONになり、「ホスト: 未接続 ターゲット: 接続済み」と表示されていることを確認する。
PCからadbコマンドを実行する
コマンドプロンプトから専用のコマンドを実行し、adbで操作を行えるようにします。
- 母艦となるAndroid端末とPCをUSB接続する。
- PCでコマンドプロンプトを開く。
- コマンドプロンプトに「adb forward tcp:4444 localabstract:/adb-hub」と入力し、「Enter」キーを押して実行する。
- コマンドプロンプトに「adb connect 127.0.0.1:4444」と入力し、「Enter」キーを押して実行する。
- 「connected to 127.0.0.1:4444」と表示され、接続されたことを確認する。
明示的に指定してadbを実行しなければならない
このままadbコマンドを実行しようとすると「error: more than one device/emulator」というエラーが発生します。
これはAndroidとAndroid Wearの2端末がPCに接続されているため、どちらに対して実行するのか判別できないからです。
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| エラーでコマンドが実行できない |
そこで、明示的にAndroid Wearを指定する必要があります。
指定は通常のadbコマンドの後ろに「-s 127.0.0.1:4444」と追記するだけです。
以下のいくつかの例を示します。
- 「adb shell」→「adb -s 127.0.0.1:4444 shell」
- 「adb pull」→「adb -s 127.0.0.1:4444 pull」
- 「adb sideload」→「adb -s 127.0.0.1:4444 sideload」
このように記述する以外は普通のAndroidと同様に操作可能です。
「デバッグの許可」について
初回利用時にはAndroid Wear側でPCのadb操作を受け付けるように許可しなければなりません。
Android Wearに「デバッグを許可」という画面が表示された場合、「このパソコンからのUSBデバッグを常に許可する」をタップしてください。
