NTTdocomoのMVNO「IIJmio」の「BIC SIM」の利用方法・レビューです。
MVNOとはなにか、IIJmioについて、BIC SIMの特典、開通方法や公衆Wi-Fi利用方法、実際の速度などを書いています。
MVNOとはなにか、IIJmioについて、BIC SIMの特典、開通方法や公衆Wi-Fi利用方法、実際の速度などを書いています。
MVNOとは
MVNOとは仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator)のことで、自分では物理的な回線設備を持っておらず、他事業者から借り受けて通信サービスを行っている事業者のことです。
逆に、回線を貸す側はNTT docomoやSoftBank、auなどのいわゆる通信キャリアで、移動体通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)と呼ばれています。
キャリアの回線を借りてサービスを行っているため、通信可能なエリアや速度は提供元のキャリアと同等です。
例えば、NTT docomoの料金プランは以下のように最安プランでも3500円(2GB/税抜)となっています。また、これ以外に基本料金やISP料金がかかるため、実際はもっと高額になります。
一方、例としてIIJmioの場合、最安プランで900円(3GB/税抜)となっており、非常に安価であることがわかります。
もちろんもっと安いMVNOも存在します。
このような特長からMVNOのSIMは最近では「格安SIM」などと言われて話題となっています。
また、最低利用期間の縛りがない(短い)ことも挙げられます。
一般的にキャリアでの契約では2年間の継続契約が基本となり、途中で解約する場合は10000円以上の高額な違約金を請求される場合が多いです。
しかし、多くのMVNOでは最低利用期間の縛りがなかったり、あっても非常に短かったりします。例えば、IIJmioでは最低利用期間が利用開始月の翌月となっており、それ以降であればいつでも無料で解約することが可能です。
そのため、数ヶ月間だけなど短い期間での利用にも非常に適しています。
※MVNOやプランによっては長期の最低利用期間が設定されている場合があります。契約時によく確認することをおすすめします。
逆に、回線を貸す側はNTT docomoやSoftBank、auなどのいわゆる通信キャリアで、移動体通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)と呼ばれています。
キャリアの回線を借りてサービスを行っているため、通信可能なエリアや速度は提供元のキャリアと同等です。
MVNOで使用できる端末
前述の通りMVNOはキャリア回線を借りているため、使用できる端末は回線貸出元のキャリアで使用できるかに依存します。
例えば、NTT docomoのMVNOで利用する場合を考えると、以下のようになります。
- NTT docomoから販売されている端末
→そのまま利用可能 - NTT docomo以外の端末
→通信方式と対応バンドの適合が必要 - SIMフリー端末
→適合していればそのまま利用可能 - NTTdocomo以外のキャリアから販売されている端末
→適合に加えて、SIMロックの解除が必要
au、SoftBankのMVNOの場合も同様となります。
また、テザリングは自由に行うことができますが、端末によっては正常に動作しない場合があります。(NTTdocomoの端末で、テザリング時にAPNが強制的に切り替わるもの)
MVNOの特長
MVNOの一番の特長として、キャリアより料金が非常に安いことが挙げられます。例えば、NTT docomoの料金プランは以下のように最安プランでも3500円(2GB/税抜)となっています。また、これ以外に基本料金やISP料金がかかるため、実際はもっと高額になります。
「カケホーダイ&パケあえる : 料金表 | 料金・割引 | NTTドコモ」より(2015/8/22) |
「IIJmio高速モバイル/D データ通信専用SIM ミニマムスタートプラン」より(2015/8/22) |
このような特長からMVNOのSIMは最近では「格安SIM」などと言われて話題となっています。
また、最低利用期間の縛りがない(短い)ことも挙げられます。
一般的にキャリアでの契約では2年間の継続契約が基本となり、途中で解約する場合は10000円以上の高額な違約金を請求される場合が多いです。
しかし、多くのMVNOでは最低利用期間の縛りがなかったり、あっても非常に短かったりします。例えば、IIJmioでは最低利用期間が利用開始月の翌月となっており、それ以降であればいつでも無料で解約することが可能です。
そのため、数ヶ月間だけなど短い期間での利用にも非常に適しています。
※MVNOやプランによっては長期の最低利用期間が設定されている場合があります。契約時によく確認することをおすすめします。
MVNOのデメリット
非常に料金が安いことが魅力なMVNOですが、デメリットも存在します。
まず、キャリアから回線を借りてサービスを行っているとはいえ、キャリア自身が提供するサービスを利用することが出来ないということです。つまり、キャリアメール(spモードやezwebメール)を使用することが出来ません。
また、大きな問題として、速度が非常に遅いことがあるという点が挙げられます。
これは、MVNOがキャリアから一定量の帯域を借り、そこに利用者を詰め込む形でサービスを行っているためです。
これは、MVNOがキャリアから一定量の帯域を借り、そこに利用者を詰め込む形でサービスを行っているためです。
例えば、最も混雑する昼時間帯では、キャリアならば20Mbps程度出るのに対し、MVNOでは1Mbpsを切り、状況によっては通信自体が困難になる場合もあります。
※通信する場所や時間、端末、契約しているMVNOによって速度は大きく異なります。
その他~MVNOへの帯域貸出料金~
利用者にはあまり関係ありませんが、キャリア別のMVNOへの帯域貸出月額料金(10Mbps・L2接続)は以下の通りです。- NTT docomo:94万5059円
※「MVNOとしての事業をご検討の事業者様へ | 企業情報 | NTTドコモ」より(2015/8/22)
- au(KDDI):116万6191円
※「MVNOとしての事業をご検討の事業者様へ | MVNOに関する情報 | KDDI株式会社」より(2015/8/22)
- SoftBank:135万2562円
※「MVNOに関する情報 | ソフトバンク株式会社 | グループ企業 | 企業・IR | ソフトバンクグループ」より(2015/8/22)
- Y!mobile:490万円※「MVNOに関する情報 | ソフトバンク株式会社 | グループ企業 | 企業・IR | ソフトバンクグループ」より(2015/8/22)
早くからMVNOへ回線提供を行ってきたNTTdocomoが最も安くなっています。
Y!mobileは貸す気がないですね。(SoftBankと実質一体なのでそっちを使えということでしょう)
IIJmioについて
IIJmioはNTTdocomoのMVNOです。サービスとしては、データ通信専用SIMのほか、通話SIMも提供しています。
今回は、そのIIJmioのデータ通信専用SIM(BIC SIM)をビックカメラで購入、契約してみました。
契約方法
IIJmioを契約するには、以下の2通りの方法があります。
- IIJmioサイトから申し込み
- パッケージ(SIM)を購入して開通手続き
IIJmioサイトから申し込み
こちらは契約内容やプラン(データ容量)、SIMの大きさ(nanoSIMなど)を選択して申し込み、後日SIMが配送されてくるものです。そのため、実際に開通するまで数日かかります。
申し込みはこちらのページから行うことができます。
パッケージ(SIM)を購入して開通手続き
こちらは販売店で売られているパッケージ(SIM)を購入し、開通手続きを行うものです。
パッケージ(SIM)さえ入手できれば即開通・利用することができます。
パッケージ(SIM)はAmazon.co.jpやビックカメラなどで販売されています。(詳しい販売店の情報はこちら)
様々な販売店がありますが、おすすめはビックカメラ(BIC SIM)です。
普通のIIJmioとBIC SIMの違い
IIJmioではIIJmio自身が販売するSIMとは別に、家電量販店のビックカメラと提携して提供しているSIM(BIC SIM)があります。こちらは、全国各地のビックカメラやオンラインストア(ビックカメラ.com)で販売されています。
BIC SIMと普通のIIJmio SIMのサービス内容は全く同一で、利用可能エリアや速度なども同じとなっています。
しかし、BIC SIMでは以下の様な特長があります。
- 公衆Wi-Fiサービスの「Wi2 300」が無料で利用可能
- その場で購入して即契約&開通可能(店頭購入の場合)
- ビックカメラのポイントを利用可能
特に、1つ目の「公衆Wi-Fiサービスの「Wi2 300」が無料で利用可能」という点が大きなメリットです。
「Wi2 300」は全国最大規模の公衆Wi-Fiサービスで、各地の施設に設置されています。使用料金は月額362円(税抜)ですが、これを無料で利用することができます。
「Wi2 300」は全国最大規模の公衆Wi-Fiサービスで、各地の施設に設置されています。使用料金は月額362円(税抜)ですが、これを無料で利用することができます。
また、BIC SIMを刺している端末以外(ノートPCやタブレット等)でも利用することができます。
※利用可能エリアはこちら→「ご利用可能エリア|Wi2 300 公衆無線LAN|Wi-Fi ソリューションを提供するワイヤ・アンド・ワイヤレス」
※利用可能エリアはこちら→「ご利用可能エリア|Wi2 300 公衆無線LAN|Wi-Fi ソリューションを提供するワイヤ・アンド・ワイヤレス」
利用料金
BIC SIM(IIJmio)の利用料金は以下の通りです。
※BIC SIMの場合、初期費用は店頭での販売価格に含まれています。
- 音声通話機能付きSIM みおふぉん
- SMS機能付きSIM
- データ通信専用SIM
今回は、この中の「データ通信専用SIM」を購入し、「ライトスタートプラン」(5GB)を契約しました。(プランは開通手続き時に選択)
途中でプランを変更することもできるので、あまり使用しない場合はより安いプランへ移行するのが良いと思います。
また、この他に下のようなプリペイドSIMも用意されています。プリペイドSIMから月額制プランへのアップグレードにも対応しているようです。
IIJ 2014-12-15
データ容量クーポンについて
IIJmioはデータ容量についてクーポン形式を採用しており、使い切れなかったデータ容量は翌月まで持ち越すことができます。
また、クーポン利用のON/OFFがいつでも可能で、使わない時はOFFにすることでデータ容量を節約することができます。(OFF時は200kbps・366MB/3日間制限)
メールやSNSなどではクーポンOFFで、動画視聴などではクーポンONとすることで容量の有効利用が可能です。
後述する切り替えアプリを利用すればワンタッチで切り替えることができます。
メールやSNSなどではクーポンOFFで、動画視聴などではクーポンONとすることで容量の有効利用が可能です。
後述する切り替えアプリを利用すればワンタッチで切り替えることができます。
BIC SIMのパッケージ
このようなパッケージで販売されていました。
今回はnanoSIM(4FF)サイズですが、microSIMやminiSIM(普通のSIM)もあります。
裏面には注意事項などが記載されています。
重要なのが開通期限で、この期日までに契約手続きを行わないとSIMが無効化されてしまうので注意が必要です。
契約方法、SIMの取り方、接続設定が書かれた用紙にSIMとSTART PASSというものが挟まっています。
NTTdocomoのMVNOなので、SIMもNTTdocomoのものですね。
裏面にはSIMの電話番号や固有識別番号が書かれています。電話番号と固有識別番号はWi2 300の利用手続きに必要となります。
こちらは「START PASS」というものです。
裏面には電話番号とパスコードがあり、開通手続きに必要となります。
他には開通方法の説明書などが入っていました。
2ヶ月間データ容量が10%増量
IIJmioでは紹介特典というものがあり、契約時に紹介コードを入力することで特典を受けることができます。特典は以下の通りです。
- 新規契約者
データ容量が2ヶ月間10%増量(3GB→3.3GB / 5GB→5.5GB / 10GB→11GB)
※余った場合は翌月に繰越可能 - 紹介者
1ヶ月間のみ月額料金-500円
データ量が2ヶ月間10%増量とかなりお得となっているため、出来るだけ利用することをおすすめします。(私は適当な紹介コードを検索して入力しました)
特典を受けるには、以下の2通りの方法があります。
- こちらのリンクから開通手続きを進める
- 紹介コードを手続き画面で入力する ※紹介コード:「194 5489 8935 3541」
紹介コードの場合は、開通手続き画面の紹介コード欄に入力して進めます。(ビックカメラ店頭での契約でも利用できます)
SIM開通手続き
BIC SIM(IIJmio)の開通手続きはWebページから行います。
そのため、開通にはインターネットに接続できる環境が必要となります。
今回は、ネットに繋がるスマートフォンから行いました。
また、有効なメールアドレスとクレジットカードが必要となりますので、事前に準備しておきましょう。
可能であれば、前述の通り特典が受けられるように紹介コードを用意しておくことをおすすめします。
START PASSに書かれているURLにアクセスすると、下のようなページが表示されます。
ここの「mio会員登録・お申し込み」から開通手続きを進めていきます。
プラン選択等は対話形式が取られており、非常にわかりやすいです。
住所やクレジットカード情報などを登録し、開通手続きが完了すると、登録したメールアドレスにmioID(プラン変更等に必要)と契約情報が送信されてきます。
あとは台紙からSIMを外して端末に挿し、APNの設定を行えば使用することができます。
APNの設定
実際にIIJmioで通信を行うには端末にIIJmioのAPNを設定する必要があります。
APN(Access Point Name)とは、通信をする際にどこに接続するのかを指定する情報のことです。
IIJmioのAPN設定情報は以下の通りです。(指定されてない項目は無設定で問題なし)
- APN:iijmio.jp
- ユーザー名:mio@iij
- パスワード:iij
- 認証タイプ:PAPまたはCHAP
端末への具体的な設定方法はこちらのサイトに詳しく掲載されています。
※端末によっては既に登録されている場合があります。その場合は選択するだけで設定完了となります。
無料Wi-Fiスポット「Wi2 300」の利用手続き
BIC SIMの特典であるWi2 300を利用するには、別途手続きが必要となります。
まず、こちらのサイト(http://wi2.co.jp/jp/300/int/bic-sim/)にアクセスし、「ログイン情報を取得する」をクリックします。
指示に従って申込内容を入力し、「入力内容を確認」をクリックします。
この際、SIMの電話番号と固有識別番号(ICCID)が必要となります。固有識別番号はSIMカードの裏に書かれた15桁の番号(今回はDN050……)です。
内容を確認して「利用規約に同意して申し込む」をクリックします。
完了すると、ログインIDや公衆無線LAN接続情報が表示されます。
BIC SIMの特典として利用可能なのはこちらの「ベーシックエリア」になります。
利用する際は、こちらのSSIDへ接続し、表示されるログイン画面にIDとパスワードを入力します。
接続支援アプリの利用
Wi2 300は表示されるログイン画面にIDとパスワードを入力することで利用可能となりますが、毎回この作業を行うのは面倒です。
そこで、接続を支援するアプリを使用します。アプリならば一度、IDやパスワードを設定するだけで自動的にログイン処理を実行し接続してくれるため非常に便利です。
接続を支援アプリには以下のようなものがあります。
- Wi2 Connect(公式アプリ)
AndroidやiOSのほか、WindowsやMacでも利用することができます。
- Wi-Fi 高速接続アプリ←おすすめAndroid専用ですが、Wi2 300だけでなくスターバックスWi-FiやコンビニのWi-Fi(ファミマやセブンイレブンなど)にも対応しているため、これ1つで複数の公衆Wi-Fiに自動接続することができます。
クーポンスイッチ
IIJmioでは、通信量がクーポン形式で付与されており、ON/OFFが可能となっています。(OFF時は容量を消費しない)
クーポンのON/OFFは以下の方法で行うことができます。
- IIJmio:クーポンのON/OFF
上記のリンク先からログインし、SIMカードを選択してON/OFFを切り替えます。 - IIJmioの提供するAPIを利用した切り替えアプリ
IIJmioは切り替えAPIを公開しており、それを利用したアプリが多数公開されています。(詳しくは後述)
切り替えアプリ
IIJmioは、クーポンの切り替えや残量確認のAPIを公開しており、それを利用したアプリが多数公開されています。
それぞれのアプリで多少異なりますが、どれも利用にIDとパスワードが必要なので用意しておきましょう。
アプリを使用すればワンタッチで簡単に切り替えることが出来るので、非常に便利です。
※アプリはSIMを挿していない端末でも利用することができます。
- IIJmioクーポンスイッチ(Android/iOS)(公式アプリ)
AndroidとiOSで利用可能
- Mio Mix(Android)
日別の利用量、クーポン残量の確認、ON/OFF切り替えが可能。通知バー表示やクオータ機能(指定した量使用すると自動的にクーポンOFF)あり。
- ミオジオ -IIJmio Status Widget-(Android)
日別の利用量、クーポン残量の確認、ON/OFF切り替えが可能。ウィジェットからの切り替え機能やGoogle Play Games連携機能あり。
この他にも多数便利なアプリが公開されているので、自分にあったものを探してみることをおすすめします。
実際の速度
時間帯ごとにNTTdocomoとIIJmioで比較してみました。
※Speedtest.netを使用し、NTTdocomoはLG G2 L-01Fで、IIJmioはASUS ZenPad 8.0で計測(クーポンON状態)。下り/上り・Ping(通信遅延)。
- 夜(22:52頃)
- NTTdocomo:37.42/21.08 Mbps・52 ms
- IIJmio:10.88/8.03 Mbps・95 ms
- 昼(12:46頃)
- NTTdocomo:26.46/5.82 Mbps・39 ms
- IIJmio:0.63/8.35 Mbps・127 ms
どの時間でもやはりNTTdocomoは速いですね。
IIJmioは、夜では10Mbps超えと実用上問題のない速度ですが、昼では1Mbpsを切っています。昼は動画視聴などは厳しいかもしれませんが全く通信できなくなるということはなく、メールやSNS等は使用できそうです。
※測定場所や端末が掴んでいるバンドによって大きく変動するので、あくまで目安程度にお考え下さい。
まとめ
- MVNOは料金が安いが、速度が遅い場合も
- キャリアの端末をそのまま利用できる
- IIJmioはNTT docomoのMVNO
- データ容量はクーポン形式で付与、翌月繰越、ON/OFFが可能
- 契約するなら同じ内容で特典が付く「BIC SIM」がおすすめ
- 開通手続き後、即時利用可能
- 契約時には紹介コードの利用がお得 ※こちら
- 開通手続きにはインターネット接続環境が必要
- 特典のWi2 300利用には別途手続きが必要
- Wi2 300利用、クーポンON/OFFにはアプリが便利
やはりキャリアより速度が遅いですが、普通に使えるレベルなのかなと感じました。
実際に使用していても、速度の遅さを実感することはほとんどありませんでした。(昼は少し気になりますが)
実際に使用していても、速度の遅さを実感することはほとんどありませんでした。(昼は少し気になりますが)
ただ、遅いといっても料金が非常に安いため、検討する価値は十分にあると思います。最低利用期間も短いですし、違約金もないため気軽に試せるのではないでしょうか。